愛を、ください。 (ページ26)

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感謝ページ26

5年間、長かったと思う。

5年の間に色々あった。

紫耀くんがうちのクラスの副担任の向井先生と結婚したり、廉くんのお陰で友達もできたし、親とも和解できた。

控え室のドアを叩く音が聞こえる。

『はい。』

母“A...綺麗ね。”

『ありがとう、お母さんの子供だからね。』

母“あらあら...笑...今まで、苦労かけてばっかりだったわね。ごめんなさい。”

父“すまなかった。”

和解した時、廉くんは、お父さんとお母さんを叱ってくれた。
その時もきちんと謝られた。
あの時は少し恨んでいた部分もあった。
だけど今は。

『2人とも、顔上げて？』

『勿論、あの時は寂しかったし、恨んでた。あの頃の仲の良かった頃には戻れないのかなって。だけどね、あの時期があったから私は廉くんのことを好きになったの。だから、』

そこまで言うと、私は詰まってしまった。

涙が、ポロリと零れたから。

鼻腔がツーンとして、喋られなくなった。

だけど心の底からの、

『ありがとう。』

感謝の言葉を発した。