79. ページ34
.
真島side
神社の境内を見つめたままの原田先生はふぅと短く息を吐いた。
「まつげくん、"このたびは"って歌知ってるだろ？
お供え物を用意できなくて、せめてもの代わりに紅葉を供えますから、後のご判断は神様にお任せしますっていう歌」
「…このたびは 幣もとりあえず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」
原田先生の言葉を聞き、ゆっくりと"このたびは"の歌を暗唱する。
「神様だの運だのを語っていいのは、やれることを全部やった人間だけの特権なんじゃないかな。
青春全部懸けたって勝てない？
まつげくん、_____懸けてから言いなさい」
ストンと、胸になにかが落ちてくる感じがした。
その後すぐにAの笑顔が頭いっぱいに広がった。
________________________________________
.
玉越side
千早と二人で歩く帰り道。
隣の千早は今もずっと素振りをしながら歩いている。
「シュッ！シュッ！シュッ！」
「楽しそうだね、千早」
私が声をかければ満面の笑みでこちらを振り向き大きく頷く。
「うん！だって、またAと太一と、かるたがやれてるんだもん！」
かるたに対して真っ直ぐで、一生懸命で。
そんな千早を見てると自分もやらなきゃ、頑張らなきゃって思う。
まるで、私が昔一生懸命追いかけてた新みたい。
「千早が瑞沢にいなかったら、私多分かるた辞めてた」
瑞沢に来てから怒涛の毎日でこうやってゆっくり千早と二人でゆっくり喋る機会なんてなくて、とても貴重に感じる。
「千早がいて、太一がいて。ここに新もいてくれたらどんな高校生活になってたのかなぁって毎日考える」
「新がいたら、私たちもっと強くなれてるかも」
「新のスパルタ練習についていけるかな」
「Aなら余裕でしょ〜！」
二人だけの笑い声が静かで真っ暗な道に広がる。
「明日勝とうね。勝って、新に会おう」
「うん」
千早の言葉に指切りをしながら歩く。
なんだか小学生の頃に戻った気分だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 695人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
森かえで - 私もこの占いツクールにちはやふるの二次創作してる身なのですが、とても面白くてはまりました！次も楽しみにしています！ (2022年6月25日 18時) (
レス) @page38 id: ca390cbbff (このIDを非表示/違反報告)
藤凛ゆきな(プロフ) - こんにちは。ちはやふるが好きなのでこういう原作沿いの夢小説を探していました。更新、無理せず頑張ってください。 (2022年4月19日 16時) (レス) id: 01a5a3bde5 (このIDを非表示/違反報告)
チョコミカン - 面白いです!無理しない程度に更新頑張ってください! (2020年1月23日 17時) (レス) id: ea092a75bc (このIDを非表示/違反報告)
まな林檎(プロフ) - 更新楽しみにしています (2019年4月1日 9時) (レス) id: bb34fa5e6d (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - clubwonderさん» コメントありがとうございます^ ^更新停止する前に報告するべきだったと反省しております。。すみません。嬉しいお言葉ありがとうございます！更新頑張ります^ ^ (2018年10月17日 21時) (レス) id: bd62a3e5cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルカ x他1人 | 作成日時：2018年5月22日 21時
