56話 ページ6
明け方、助産院に大きな産声が響いた。
2980ｇの元気な女の子。
産んだお母さんは24歳。
俺と同じ年だった。
「体はどうですか。」
長い前髪から覗く鋭い目。
体もそこまで大きくない。
痩せてる。
小刻みに震えているのは、きっと怖いんだと思う。
「出産お疲れ様でした。
いいお産でしたよ。」
ベッドに横たわった彼は、
壁側に向いて体を寄せた。
「…お腹が痛い」
「あ、後陣痛ですね〜。
すぐ引くのであと少しの我慢です」
腰を摩ろうと手を置くと
手をぎゅっと握られた。
「…死ぬかと思った」
「本当。陣痛は人生で1番痛いって言いますもんね」
ゆっくりと背中を摩ると、ふぅと息を付いている。
少し安心してくれたみたいだ。
「…怒んないの」
「え？」
「あんたは、俺がずっと病院行かなかったこととか、突然夜中に来たこととか、怒んないのかよ」
その時、初めて目が合った。
オッドアイ。
左右で目の色が違っている。
珍しい…。
右目は普通の褐色だけど、左は緑っぽい。
漆黒の髪によく似合う。
綺麗だった。
「怒らないよ。だってお母さんも赤ちゃんも無事だから」
今更怒ったって、何にもならないでしょ。
今は、ちゃんとカンガルーケアしたり、
母乳あげたり、そんな時間にしたい。
「赤ちゃん、会ってみる？」
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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます！コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください！これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱々璃 | 作成日時：2017年11月2日 1時
