君の蒼い花。2章=オリジナル=

99話 ページ49

「ほら、朝比奈はどうなのよ。
社会人の彼氏さんとは上手く続いてんの？」

蒼真が意地悪そうな顔してる。
あんな顔するんだ…。

「うん。心配されなくてもラブラブです」
ケーキを口いっぱいに含んでいる。
照れ隠しかな。

「綺麗系なの、可愛い系なの」

「ん〜？可愛い、かな。
しっかりしてそうで弱い」

「うわ出たよ、なんかイケメンそうなこと言ってる」

「俺イケメンだし」
志麻くんと朝比奈くんの掛け合いは、いつ見ても面白い。
ムードメーカーの志麻くんと、大人で落ち着いた朝比奈くん。
朝比奈くんの彼氏さんはどんな人なんだろうか。

「朝比奈の彼氏さん、いくつだっけ」

「今年、24」

「ハルちゃんと同じ歳じゃん！」

高校生からしたら24歳なんて未知の歳だろう。
8歳年下の彼氏がいる24歳も未知だろうけど。
それで上手くいってるんだったらすごいよ。

「俺は早生まれだから、たぶん朝比奈くんの彼氏さんは学年は一つ下だね」

「そっか〜、みんな恋してんだ〜」
嬉しいそうな顔でにこにこ笑う蒼真とは別に
2人は顔が固まっていた。
どんな顔すればいいのか分からない、というように。

そりゃそうだよな。
目の前の友だちは彼氏がつい先日死んだところ。
かける言葉はない。
でも、あんまり気にしてない感じだと思うよ。
今は特に。


「…そんな顔しないでよ。
俺、もう友矢のことで泣かないって決めたの。
心配して天国で泣いてたらやだし、
赤ちゃんもこんなママ嫌だと思うから」


思いのほか、強くなってたのは誤算だったけど。

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