君の蒼い花。2章=オリジナル=

76話 ページ26

「じゃあ、一緒に考えてほしい」
佐倉さんに手をギュッと握られた。
まじかー。

「…うん、分かった」

亜由美さんから貰ったんだろうルーズリーフには
女の子の名前によく使われるような
華やかな漢字が並んでいた。

「候補は？」

「いや、どれもしっくりこなくて…」

赤ちゃんの顔を見ながら決めたらいい、と
佐倉さんの赤ちゃんを新生児室から連れてきた。

「お前、どれがいいと思う？」
眠ってる赤ちゃんの頭を撫でる佐倉さん。
名前なんて、お母さんが赤ちゃんにあげる
初めてのプレゼント。
悩まずにはいられない。

「…あ、」

佐倉さんが弾かれたように顔をあげる。

「俺の名前から1字取ってもいいですか？」
キラキラとした目で見つめられる。
綺麗な翡翠色。
「うん、すごくいいんじゃないかな」

「自分、ずっとこの子のこと考えないように
生きてきた。
今は本当に申し訳なかったなって思う。
罪滅ぼしじゃないけど、ちゃんと気持ち込めて
名前考えたいんだ」

佐倉さんは赤ちゃんを見て
目を細めた。

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