80話 ページ30
ご飯を食べ終わったあと、
兄弟揃って蒼真の部屋に向かった。
部屋に入るとベッドの上で少し荒い息をついた蒼真が横になっていた。
まだ寝てはないみたい。
「蒼真、大丈夫？」
兄ちゃんがベッドの淵に腰をかけて、髪を掬う。
「今はだいぶ楽になった。
…なんでみんな揃ってきてくれたの？」
蒼真がひとりひとりの顔を見る。
「これ、渡したかった」
俺が蒼真に手紙を手渡した。
「誰から？」
珍しい手紙に嬉々とした様子で受け取り、
届人の名前を見て顔が固まるのが分かった。
「…え？友矢？」
その封を切ることはなく、ずっと眺めている。
しばらくたって、俺に封筒を戻してきた。
「中身、見ない？」
「…ハルちゃんが読んで…」
小さく震える。
読みたいけど、怖いんだろう。
なにが書かれているのか。
たった17歳でこの世を去った友矢は
何を思っていたんだろうか。
何を悟って、この手紙を書いたんだろうか。
「ハルでいいのか？自分で読んだ方が…」
兄ちゃんが言う。
まあ、普通はそうなんだろうけど。
「いいの、ハルちゃん読んで」
ゆっくりと起き上がった蒼真。
兄ちゃんに体を預けてゆっくりと深呼吸した。
そして目を閉じる。
それを合図に俺は手紙を開いた。
少し震えた字。
びっしりと詰まった2枚の便箋。
息を吸って、俺は手紙を読み出した。
『蒼真へ。俺が死んでずっと泣いてないか？』
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朱々璃(プロフ) - こんぺいとうさん» 閲覧ありがとうございます！コメント頂けるとやる気起きます笑 少しずつですが頑張ります(^^) これから、兄弟一人一人の恋事情も挟みますのでお楽しみください！これからもよろしくお願いします (2017年11月13日 12時) (
レス) id: e291ea7c47 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - すごく面白いです！更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2017年11月11日 23時) (レス) id: 44526260a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱々璃 | 作成日時：2017年11月2日 1時
