君の蒼い花。2章=オリジナル=

72話 ページ22

蒼真の部屋に入ると
勉強机に向かってうとうとしてる蒼真がいた。

「蒼ちゃん」
ゆっくり揺すると目が開く。

「あ、ごめん…寝ちゃってた」
寝起きの掠れた声。
まだまだ眠たそうに目を擦っている。
「お待ちかねの白湯です」
「ありがと」

ブランケットを肩にかけると
蒼真は俺の目を見て、はにかんだ。

もう寝よっかというと、うんと頷いて
ベッドに寝転がった。

「今日、何やってたの？」

「えっと、ゴロゴロしたり、お花を生けたり｣

「ほう」

ずっと不登校だった蒼真は
近所のおばあさんとかの家に遊びに行って
よく、生け花や茶道や畑仕事を教えて貰ってたらしい。
男子高校生では珍しく花に詳しくて、
花が好きだ。

そう言えば、友矢とのデートに植物園行ってたし。
花なんて興味のない人からすれば
ほぼ全部同じに見えるくらいなのに
男子高校生の友矢が一緒に見に行ってくれたなんて
やっぱり本当に優しかったんだろう。

大切で、優しい人から亡くなっていく。
ろくでもないやつは長く生きる。
たまに思うことがある。

あぁ、ダメだ。
すぐ変なこと考える癖。
俺は頭をぶんぶん左右に振った。

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