私と不良と生徒会。2 【ars&∞】 (ページ16)

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60*頼って。ページ16

医療室に着くと、ゆっくりと降ろしてくれた。

「医療班の生徒はいないみたいですね。湿布、貼れば治るから。」

座って、とイスをひく。

二宮さんがきれいに湿布を貼ってくれる。

　

「…で、何があったんですか？」

「え？」

作業をしながら二宮さんが聞いてきた。

「友達に何かあったんでしょう？
言ってください。」

そう言って私の目をじっと見る。

「いや…男子生徒に絡まれてたから…

助けただけです。」

「…何人？」

「二人…。」

私がそう言うと、ハァ、と溜め息をつく。

「なんで僕らに言わないんですか。どこにいるか知ってたでしょう？

あの7人もいたのに。
もっと頼ってください。」

「ごめんなさい…。」

頼ることより、頼られることの方が多かった私。

でもそれは

“痛い目にあわせろ”とか人を傷つけることにしか頼られなかった。

いつしか頼られることは悲しいこと。

だから、頼ることは人を悲しませる。

なんて考えてた。

　

「僕達、頼られてキライになること、ありませんから。」

優しく微笑み、ポンポンっと私の頭をなでる。

「っ……」

何故か目から暖かいものが流れてきて

私の頬をつたっていく。

「あ、ありがとうっ…ございますっ…！！」

「うん。じゃあ、そろそろ行くか。」

そっと私の涙を拭って、立ち上がる二宮さん。

　

「二宮さん、はい。」

「ん？」

私は二宮さんに向けて腕をのばす。

「足…痛くて歩けないです。」

早速頼ってみようと思う。

何事も小さいことから。

　

「ふふっ…(笑。おんぶですか？

あ、それともお姫様抱っこですかね？」

そういってニヤッと笑う。

「いや、あの…おんぶのつもりだったのですけど…///」

「ふ～ん…。じゃあ、お姫様抱っこにしましょう。」

またヒョイッと持ちあげられる。

「…これ、頼るっていうより、甘えるって言うんじゃない？」

「えぇ！？じゃあ、いいですっ！！降ろしてください！！」

「やぁ～だ♪」

そういって子供みたいに笑った。