第72話 ページ22
その後旧校舎の空き教室に来て、と言われどうにか断ろうとしたが、真剣な眼差しを前に何も言葉は出ずただ首を縦に動かした。
昼休みになるとゾムはいつものように売店へ。
先に行ってようと席を立ち、記憶の事についての言い訳を考えながら旧校舎へ向かった。
ぎしぎしと細かく音を立てる廊下を進む。
掃除はしてあるだろうが塗装の剥がれた壁やガムテープが貼られた窓ガラスなど、古さを感じるものに少し不気味さを覚えた。
「き、来てしまった……」
目的地に着き、少し古い木製の扉を前に私は険しい顔で手をさ迷わせた。
中は電気が付いており、二人程の話し声が聞こえていた。生徒会の全員がいるんだと思っていた私は心底安心し、声からしてコネシマとエーミール、つまり昨日一緒に図書室にいた二人が中にいる事が分かり、まぁそうだよね、と一人納得した。
さて、先程から扉に手をかけては離してを繰り返しているわけだけど…
ゾムにばれているのならきっと二人にもばれているんだろう。中に入って何て言えば良いのか分からないし、もしかしたら責め立てられるかもしれない。
そんな不安が小刻みに震える手に表れていた。
深呼吸を何度しても落ち着かない心臓を胸の上から抑えていると、ガラガラというつっかえた音と共に眩しくなる目前。
吃驚して手を浮かせたポーズのまま固まり、少し見上げるとコネシマのきょとんとした顔が見えた。
目を見開いた顔でお互い数秒見つめ合った後、口を開いたのはコネシマだった。
「なんやA来とるやんけぇ！」
「え？Aさんいるんですか？」
その大声でまた肩が跳ね上がった。
コネシマは弾ける様な笑顔に変わり、浮かせたままだった私の手首を掴んでエーミールが顔を覗かせた教室の中に引き入れた。
昨日の事もあり笑顔に裏があるようにしか思えず、酷く困惑しながらも連られるがまま、合わせられた四つの机に足を運んだ。
続く (更新停止中)
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あまね(プロフ) - 夢主ぃぃぃぃ (11月24日 21時) (
レス) @page22 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 軍パロのこういうお話好きなのでこの作品に出会えて良かったです！これからも無理せず頑張ってください！！ (2023年1月30日 0時) (レス) @page22 id: 4521a77615 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - このお話前にも見た事はありますが題名を忘れ見れなくなったので見つけれて良かったです！！お気に入り失礼致します (2021年5月18日 9時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年4月4日 13時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - 続編おめでとうございます！この作品大好きです！これからも応援しています！ (2021年4月4日 6時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちーず | 作成日時：2021年4月4日 0時
