第16話 ページ16
それなのに
��A、記憶無いっぽいねん��
ゾムの言葉は場を固まらせるには十分すぎるものだった。
それもそうだ。Aを探し始めてもう五年が経とうとしている。待ちくたびれ、漸く見つけたと思ったら今度は覚えていないと？
それでも嘘の可能性があると言うショッピの言葉に皆希望を持った。
この目で確かめればいい、オスマンもいる、本当に覚えていなかったら、その時は……思い出させるまでだ。
翌日に最初にAを見て思った事は、やはり変わらないな、だった。
生徒会の奴らもそうだが、一切容姿が変わっていない。前世の姿のまま、年相応になっただけだ。
Aが幹部に就任した際に皆で贈った物と同じ様な灰色のカーディガンを着ていて、頭のどこかで、やはり覚えているのではないか…？と期待した。
「…オスマン、どうだ」
Aが去り、沈黙の中俺はオスマンに問いかけた。
会話の途中、Aは俺だけでなくオスマンも気にしている節があった。
それは、他の奴らが表情をコロコロと変える中じっとAを見定めていた事に対する単なる戸惑いか、外交官であった事を知っていて嘘がバレるのを恐れていたからか。
どちらにせよ、そう簡単にオスマンに嘘は通じない。
そう思いながら、オスマンが口を開くのを待った。
「………分からへん」
オスマンの言葉に全員が目を見開いた。
「いや、何というか…嘘ついてる感じはするねんけど、全体的に偽ってる感じ？何か隠しとる雰囲気がずっと染み付いとる感じがすんねん」
雰囲気に関しては俺も、いや、多分全員が気付いていただろう。
Aは前世と雰囲気が違う。
前世のAは、とても素直な人間だった。
親しい者が戦争で亡くなれば、皆の前では出さずとも自室でよく泣いていた。
幹部の皆といる時はよく笑い、嘘が下手で顔に出やすく、たまにシャオロンやゾムなどににからかわれては、またその顔を赤くし怒るような奴だ。
そんな人間らしいAが、皆仲間として本当に好きだったのだ。
だからこそ、
前世ぶりに会ったAは、どこか場の空気や相手の言葉にマニュアル通りに表情を動かしている様で、違和感を覚えた。
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ちーず(プロフ) - H2Oさん» 報告ありがとうございます！修正しましたが尚間違いがありましたら教えて頂けると幸いです…！ (2021年3月28日 2時) (
レス) id: 33a1b142e6 (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - 更新お疲れ様です。毎度楽しませてもらっております。報告ですが、33話が抜けております。ページ数と話数が合ってないと気づき数えたら見つけました。 (2021年3月27日 23時) (レス) id: 085a912a91 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - すっごく面白いです！これからも応援してます！！ (2021年1月18日 11時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
ネイト(プロフ) - コメント失礼します！この作品にどハマりしてしまい一気に読んでしまいました(笑)！心の底から本当にこの作品に出会えて良かったっと思っております！大好きです！！！頑張ってください！これからも応援させて頂きます！！！ (2021年1月18日 3時) (レス) id: 58c935ec98 (このIDを非表示/違反報告)
あやややや(プロフ) - 最&高ありがとうございます( ﾟーﾟ)崇めます (2021年1月11日 22時) (レス) id: 074f35644b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちーず | 作成日時：2021年1月5日 13時
