第13話 ページ13
「……あの、私に何か用でしょうか？」
その言葉に顔を顰める者や眉を下げる者、反応は様々だったが、グルッペンやオスマンなど場に冷静に応じる者は、ただじっとこちらを見るだけだった。
いや怖いよ君達、そんな目で見ないで？冷や汗かきそうだよ。これ覚えてるかどうかの確認だよね？
荒ぶる心の中で確認する。
伊達に長く付き合ってない。彼等の考えは多少は分かっているつもりだ。
「A、ほんまに覚えとらんの？俺等の事も、忘れてしもたん…？」
堪えきれずに口を出したのは、泣きそうな顔をして私を見つめるシャオロンだった。
皆が冷静でない時に場を繕ったりしていた中心的人物である彼が珍しく取り乱している。
「なぁ嘘なんやろ？ほんとは覚えとるんやろ？なぁA…？」
「シャオロンさん落ち着いて」
「落ち着けシャオロン」
ガタッと音を立てて席を立ったシャオロンをエーミールとグルッペンが宥める。
シャオロンはぐっと口を噤み、渋々とした様子で席に座った。
「騒がしくてすまない。Aさんだな、今日呼んだのは少し聞きたい事があってな」
「い、いえ…大丈夫ですけど、質問って……？」
「そうだな、それじゃあ簡潔に……君は、前世って信じるか？」
「……え？」
予想もしていなかった質問に思わず拍子抜けしてしまい、気の抜けた声が出た。
…いやどういう事？
拍子抜けしたのは私だけでは無いようで、皆目を丸くしてグルッペンに目をやった。
「えっ、と、前世、ですか。…そうですね、信じてはいますよ」
今度は私の返答に皆の目がこちらを向いた。
怖いって、何なの？軽く恐怖映像だよこれ
「…そうか、理由を聞いてもいいか？」
「理由、ですか……輪廻転生って言葉がありますし、世界には前世の記憶を持って生まれてくる人もいるようですし…単純な理由ですけど」
「いや、大丈夫だ。もう一ついいか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 991人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちーず(プロフ) - H2Oさん» 報告ありがとうございます！修正しましたが尚間違いがありましたら教えて頂けると幸いです…！ (2021年3月28日 2時) (
レス) id: 33a1b142e6 (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - 更新お疲れ様です。毎度楽しませてもらっております。報告ですが、33話が抜けております。ページ数と話数が合ってないと気づき数えたら見つけました。 (2021年3月27日 23時) (レス) id: 085a912a91 (このIDを非表示/違反報告)
千菜(プロフ) - すっごく面白いです！これからも応援してます！！ (2021年1月18日 11時) (レス) id: 36e14b459a (このIDを非表示/違反報告)
ネイト(プロフ) - コメント失礼します！この作品にどハマりしてしまい一気に読んでしまいました(笑)！心の底から本当にこの作品に出会えて良かったっと思っております！大好きです！！！頑張ってください！これからも応援させて頂きます！！！ (2021年1月18日 3時) (レス) id: 58c935ec98 (このIDを非表示/違反報告)
あやややや(プロフ) - 最&高ありがとうございます( ﾟーﾟ)崇めます (2021年1月11日 22時) (レス) id: 074f35644b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちーず | 作成日時：2021年1月5日 13時
