28話 ページ30
あー、いざ話すとなると緊張しますね。
今まで誰にも話さず、隠し通して来たんで.....恥ずかしいな。
書いてなかったんじゃない、
ずっと
書けなかった。
俺は10年前に初音ミクと出会ってから活動休止の前まで、8年間ずっと曲を作り続けていました。
昔からよく、「どうやって曲を書いてるんですか?」って聞かれることは多かったけど、計算して曲を書いたことなんて一度なくて、いつもふっと浮かんできたものを掴み取って形にしてきました。
パソコンと向き合っている時以外でも、日常の些細な感動を見つけては、溢れ出す音楽を書き留めて、打ち込んで、曲を作り上げてきたんです。
でも2年前のある日、それがパタリとなんの前触れもなく止まった。
何を見ても何に触れても何一つ浮かばなくなくなってしまったんです。
一過性のものだと気楽に考える自分とは裏腹に、何か恐ろしいことが足音もなく忍び寄ってくるような言いようのない不安に襲われていた自分も居ました。
そしてそれは現実だった。
数日経っても、数週間経っても、
何も変わらなかった。
曲を作ることができなかった。
色々と理由を探したり、以前作った自分の曲を聴いて感覚を取り戻そうとしたけれどどれも無駄だった、何を作っても俺が納得できるものじゃありませんでした。
でも何か投稿しなきゃって、次も期待してくれてるファンのみんなを裏切っちゃいけないって焦ってた。
何が良くて何がダメなのか分からなくなってた俺は、自分で納得できてない曲を投稿した。
それが俺の活動休止前に投稿した最後の曲<からっぽのくせに>でした。
震える指で投稿ボタンを押した後、恐る恐るコメントを見に行きました。
俺のベストじゃないこの曲をみんなどう思うんだろうって。
いつも通り、「好き」って言ってくれるコメントが多かったのを覚えてる。でもそんなコメントの中で俺の目を引いたのはそういう肯定的なコメントじゃ無かった。
「なんか劣化した?」と。
それまでだってそういうコメントは付いて回ったし、多くの人に見られて居るからそういう意見もあるだろうなと真摯に受け止めていました。
そのコメントだって些細な意見のつもりのコメントだったのかもしれない。
でのその時の俺は、ガッツーンってトンカチで頭ぶっ叩かれたんじゃないかってぐらいに酷く衝撃を受けました。
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ゆきうさぎ - コメント失礼します。作者様の負担になるようでしたら話は別ですが、僕は皆でハッピーエンドが良いと思います。 (2020年9月20日 1時) (レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 個人的にはhappyendが好きなのでhappyendが読みたいです…! (2020年6月15日 18時) (レス) id: 57a51dc74d (このIDを非表示/違反報告)
匿名主(´・∀・`) - 初めまして、失礼します。個人的にはhappy endが良いんですが…一回何らかの endで完結させてしまって、その後に場面分岐的な終わり方にすれば良いのではないか。と考えております。作者様に負担が掛かってしまいますし、上からで申し訳ないんですが…考えて頂ければと (2020年6月13日 21時) (レス) id: 610e5b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
ペン - 初めまして、今日は。 秘かに読まさせて頂いてます。今更なのですが、 happyendが良いと思ってます。体調に 気を付けて更新頑張って下さい。 (2018年6月24日 11時) (携帯から) (レス) id: c5e8935b6a (このIDを非表示/違反報告)
にょむさん - 個人的にはHappy Endがいいです! (2018年6月17日 22時) (レス) id: c18b2f6fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紺碧 | 作成日時:2017年12月3日 21時