19話 ページ21
三年前の夏。
いつものように俺たちはAの家に集まって遊んでいた。
そらるにまふまふ、浦島坂田船の四人にluz。
今はあまり会わなくなってしまったりぶ。
そしてもちろん、天月も。
その週に封切りになった最新の対戦ゲームを代わり番こでプレイしたり、わちゃわちゃとキッチンにぎゅうぎゅうになりながら一緒に昼食を作ったり、真面目な顔で音楽について語り合ったり、
そこは俺たちの幸せで満ちていた。
その日Aは珍しくベロベロに酔っ払っていた。
今までそんなこと一度も無かったから、みんなも調子に乗ってAのグラスにお酒を沢山注いだ。
ニコニコ笑って注がれたお酒を飲むAはいつもよりふわふわしていてとても可愛く見えた。
『俺さー死にたかったんだよねぇ』
もれなく全員に酔いが回った頃、ふと落とされた爆弾のような一言に皆ピシリと固まった。
「....Aさん？」
強張った表情で尋ねるまふまふと、それを意に介さず話を続けたA。
『俺の両親は医者で、地元では知らない人は居ないような大きな病院を経営してた。
生まれた時からそれを継ぐことが決まってて、小さな頃から頭がおかしくなるんじゃないかと思うぐらい勉強させられた。
苦しくて辞めたくて、けどどんなに頑張っても褒められることなんて無くて....
辛かった。
その息抜きに出会ったのが音楽だったんだ。
小学生ぐらいから音楽に触れていたけど、親は医者になるまでの刹那の道楽だと思っていたみたいだったから特に何も言わなかった。』
初めて語られたAの過去。
Aのことが大好きだった俺たちは、Aのことならなんだって知りたがった。
誕生日や血液型など、リスナーのみんなも知っていることから、好きな料理やよく行くカフェなど、
どんな些細なことでも今まで知らなかったAの一面を見つけるたびに、ふわふわと心が踊るように嬉しくなった。
もちろん、過去の話についても何度か尋ねたことはあった。
けれどその度にAは、『内緒っ』とイタズラっぽく笑って、決して教えてはくれなかった。
あの時までは。
グラスを握りしめたまま伏し目がちに淡々と話をするA。
俺たちはその告白をただ黙って聞いていた。
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ゆきうさぎ - コメント失礼します。作者様の負担になるようでしたら話は別ですが、僕は皆でハッピーエンドが良いと思います。 (2020年9月20日 1時) (
レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 個人的にはhappyendが好きなのでhappyendが読みたいです…！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 57a51dc74d (このIDを非表示/違反報告)
匿名主(´・∀・｀) - 初めまして、失礼します。個人的にはhappy endが良いんですが…一回何らかの endで完結させてしまって、その後に場面分岐的な終わり方にすれば良いのではないか。と考えております。作者様に負担が掛かってしまいますし、上からで申し訳ないんですが…考えて頂ければと (2020年6月13日 21時) (レス) id: 610e5b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
ペン - 初めまして、今日は。 秘かに読まさせて頂いてます。今更なのですが、 happyendが良いと思ってます。体調に 気を付けて更新頑張って下さい。 (2018年6月24日 11時) (携帯から) (レス) id: c5e8935b6a (このIDを非表示/違反報告)
にょむさん - 個人的にはHappy Endがいいです！ (2018年6月17日 22時) (レス) id: c18b2f6fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧 | 作成日時：2017年12月3日 21時
