14話 ページ16
『luz久しぶり〜』
手を広げて迎えてくれたAの胸に抱きつく。
「ほんま久しぶり、A」
あったかい。世界で一番安心できる場所はここだ、と本気で思うぐらいにはAのことが好きだ。
ここが俺だけのものだったらいいのに
偶にそう思う。
けれどそれは許されない感情だ。
『話したいことがあるから予定空けてくれない？』
Aからそう連絡が来たのはつい先日の事。
特に予定のなかった俺は二つ返事で了承した。
そもそも最近はAに会えておらず、会いたいとずっと思っていたから、Aから会いたいと言ってくれて嬉しかった。
いつもはカフェやカラオケで待ち合わせをするが、真面目な話をしたいらしくAの自宅に呼ばれた。
『歌ってみたあげてくれてありがとう。
坂田が上げるの早すぎって悔しがってたよw』
「坂田には絶対に負けヘん！
他の新曲は動画上げたりせんの？」
『〈消え去る幻影と僕の歌姫〉はニコ動にもユーチューブにも載せたけど、それ以外は今のところ載せる予定はないかな〜。CD買って。
pv描きたいなーとは思うけどね。
俺の歌を歌って踊るミク...絶対可愛い!』
「CDは五枚買った。
じゃあ歌ってみた載せれるんは一曲だけか...」
『えっ、五枚？嬉しいけどそんなに買ってどうするの？
うーん今の所はね。明日新曲upするし...』
「はぁ？？聞いてへん！！！」
『言ってないもん。』
「またそれや...」
『今回は動画じゃなくって静止画にしたんだ。死ぬほど描き込んだから絵も歌も楽しみにしてて。』
「こんな短期間で何曲作るつもりしとるん...ちゃんと寝とる？」
うっすらと目の下に浮かぶ隈の存在が気掛かりだったが、
『んー、』
と言葉を濁すAに、疑惑が確信に変わる。
「前もそんな感じで倒れたやろ！！体壊したら元も子もないんやからちゃんと休んで！」
『だって曲書かないと...』
「なんでそんなにボロボロになるまで頑張るん！？お願いだから休んで！！」
『なんかさ...
今書かないと
かけなくなるような気がするんだ』
上目遣いですがるような表情をするAはいつもと違った雰囲気で可愛い。
けれどここで無理を許したら本当に病気にでもなってしまう。
「天才ボカロP様に限ってそんなのありえないやろ！さっさと寝て！！」
「ははっそうだね...」
渇いた笑いを零したAの、憂いを含んだ表情に何が秘められていたのか、その時の俺には知る由もなかった。
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ゆきうさぎ - コメント失礼します。作者様の負担になるようでしたら話は別ですが、僕は皆でハッピーエンドが良いと思います。 (2020年9月20日 1時) (
レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 個人的にはhappyendが好きなのでhappyendが読みたいです…！ (2020年6月15日 18時) (レス) id: 57a51dc74d (このIDを非表示/違反報告)
匿名主(´・∀・｀) - 初めまして、失礼します。個人的にはhappy endが良いんですが…一回何らかの endで完結させてしまって、その後に場面分岐的な終わり方にすれば良いのではないか。と考えております。作者様に負担が掛かってしまいますし、上からで申し訳ないんですが…考えて頂ければと (2020年6月13日 21時) (レス) id: 610e5b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
ペン - 初めまして、今日は。 秘かに読まさせて頂いてます。今更なのですが、 happyendが良いと思ってます。体調に 気を付けて更新頑張って下さい。 (2018年6月24日 11時) (携帯から) (レス) id: c5e8935b6a (このIDを非表示/違反報告)
にょむさん - 個人的にはHappy Endがいいです！ (2018年6月17日 22時) (レス) id: c18b2f6fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧 | 作成日時：2017年12月3日 21時
