13話 ページ14
今日はA組の皆で一日実戦訓練の日だ。
朝から実習室で、入試の時のような仮想ヴィランと戦いながら自分の中の課題を見つけていく。
今は上鳴や爆豪の番で、相澤先生の指導のもと仮想ヴィランと戦っている。
その他の生徒たちは、各々が自分でできる練習をしていた。
「お"らぁ！！」
「うぉ！！あっちぃ〜おいバクゴー！
こっちまで爆発来てる！熱い！！」
「知るか、てめぇでどうにかしろ」
「ばくごーはもうちっと協調性っていうものを身につけたほうがいいと思うぞ！！！」
「んだと！お前が弱えぇのが悪りぃんだろ！！」
「なんだとー！
そんなら俺だって！
見てろよ！！
最大出力！！」
バンっ！と大きな雷鳴が鳴って激しい光と共に雷が弾けた。
大きめの仮想ヴィランに放たれた上鳴の攻撃は見事に直撃し、機械片が辺りに飛び散る。
するとその破片の１つが、演習の順番を待っていた生徒たちの方へ向かってきた。
破片は麗日に向かって一直線に飛んでくる。
「危ない！！！」
異変に気付いた数名が助けに入ろうと駆け出すが誰も間に合いそうにない。
すると一番側に居たAが、守るように体ごと麗日の前に滑り込み、瓦礫に向かって腕を伸ばした。
手に触れた途端に、それはガチャガチャとひどい音を立てて細かく分解され弾け飛ぶ。
触れた瞬間、個性を使ってばらばらにしたのだろう。
けれど消しきれなかった衝撃で、腕は見るも無残にボロボロとなり、切れた傷口から流れ出た新鮮な血がポタポタと地面に水溜りを作っていた。
あまりにも痛々しすぎる怪我と事の衝撃に周りはあっけにとられていたが、当の本人はどこ吹く風という様子で、自分の怪我には目もくれず
『大丈夫か？』
と心配そうな顔で、麗日に向かって怪我をしていない方の腕を伸ばす。
「やっ..!」
一歩間違えれば死んでいたかもしれないという恐怖と腕の怪我のグロテスクさ、そして痛みを感じさせないAの得体の知れない狂気とが相まって、思わず伸ばされた腕を避けてしまった。
怯えた顔は彼にどう映っただろう、考えるまでも無い。
「あっ...」
気付いた時には遅かった。
一瞬、傷付いたような顔をしたAだったが、すぐに苦しさを噛み殺したような悲しげな笑みを浮かべ
『ごめん...』
と言って自嘲気味に笑った。
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ウタ - 次の展開がどうなるのか楽しみです (2018年7月18日 22時) (
レス) id: 5d727cd1f1 (このIDを非表示/違反報告)
雫(プロフ) - めっちゃいい話だと思います！！更新楽しみにしてます！！ (2018年7月16日 8時) (レス) id: 83591e10d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ストーリー展開がとても好みだし、文章が、言葉ひとつひとつが綺麗で好きです。本当に素敵な作品ですね！ (2018年6月24日 21時) (レス) id: bc7a356a9c (このIDを非表示/違反報告)
こパンダ - とてもたのしみにしてます。頑張ってください！ (2018年6月22日 17時) (レス) id: 7360b2bbb8 (このIDを非表示/違反報告)
甘露蜂蜜(プロフ) - あああこれは夢主くん弔くんのこと思い出してほしいやつです…！こういうめっちゃシリアス系好きなので展開がすごく楽しみです。頑張ってください。 (2018年6月17日 23時) (レス) id: 817d133cd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺碧 | 作成日時：2017年11月13日 21時
