#3 ページ7
「………あ…？」
「さすがアズール。成功ですね」
「何当たり前のこと言ってるんですか」
「あはっおもしれ〜。本当に“男”になってるじゃん」
「……」
＿＿＿熱が引いて頭痛も治まったというのに消えなかった違和感。
フロイド先輩の言葉で、私は静かに胸に手を当てた。
「！！！(ない！！！)」
「まだ目ェそんな開けたのグッピーちゃん
………ねぇ、もう一つの方も確認してみる？」
「ひゃっ！？」
耳元でそう先輩が囁く。同時に背中をつつ、と下になぞられて、今まで感じたことがない類のゾワゾワとした感覚が襲った。
(なにこれ…！？)
「フロイド…？？」
「いじめるのもそこまでにしてあげて下さい。アズールが持ちません」
「なっ！？」
「…はぁい」
「またねぇ、グッピーちゃん」とフロイド先輩は何事もなかったかのように去る。
それを呆然として見送っていると、背後から「頑張りましょうね」なんて言葉と共にガシッと拘束された。
「なっ…！」
「フフ…そう怖がらないで。今フロイドが持ってくる後一本で終わりですよ」
「…また説明もせずに飲ませる気ですか！？」
言いたいことは他にも山ほどある。
でも今更言ったとこでこの人達はマトモに聞かないだろうと堪え、今の話に合わせる。
「そうですねぇ…話したら飲んでもらえますか？」
「…これも取引の内容のうちならば」
「なら話さなくても大丈夫ですね。取引の内である事に変わりはないので」
「すみません言葉選びが悪かったです。しっかりと説明していただかないと＿＿＿」
「お待たせグッピーちゃん。口開けて？」
「はい、あーん」
「んあっ！？」
(この人もか！)
再び指で口をこじ開けられて、逃げ道がなくなる。
迫ってくる瓶からは先ほどと比べ物にならない悪臭がした。
「おやおや…本当に噛みちぎられてしまいそうですね
フロイド、早くしてください」
「ジェイドだって遅かったしいーじゃん
…でもイイねぇ、これ。グッピーちゃんが“求愛”してるみてぇ」
「！？」
「でしょう？…でも、男体化したせいか力が増しているので早くしていただけると嬉しいのですが」
「あーはいはいわかったよ」
グッピーちゃん、はいごっくん♡
そう可愛く言った先輩が、その可愛さに見合わない悪臭漂う魔法薬を私の口へと注いだ。
(無理無理無理！)
「うぇっ、」
「吐いちゃダメ」
「っう」
思わずえずくと、フロイド先輩が顎を持ち上げてそれ以上を阻止してくる。
…もう、飲むしかなかった。
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のま(プロフ) - エーメさん» 素敵なコメントをありがとうございます…！そう言っていただけるととても嬉しいです！引き続き頑張って更新させていただきます！ (2021年1月9日 14時) (
レス) id: eb0df26a11 (このIDを非表示/違反報告)
エーメ(プロフ) - はじめまして！この小説すごく面白くて一気読みしてしまいました！これからも応援しています！更新も無理のないよう頑張ってください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: 30ed0185d7 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます…！そう褒めていただいてとても嬉しいです！展開がわかりやすいように、と気をつけている部分も多かったので本当にとても嬉しい…！(語彙力が…)コメントありがとうございます！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説を読みました。文章が繊細で、ストーリー展開が分かりやすかったです。 (2020年9月17日 18時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - マザーグースさん» あわわ、ありがとうございます…！地道に頑張らせていただきます！ (2020年8月12日 12時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年8月4日 13時
