違和感の正体#1 ページ5
＿＿オクタヴィネル寮 モストロ・ラウンジ
「ま、待ってくれ！もう一度チャンスを……ギャーー！！」
「……(来るタイミング、間違えたかな)」
男子生徒の断末魔が自称“紳士の社交場”に響き渡る。
タイミングどころか来る場所を間違えたんじゃないか、と撤退しようとすると、「あぁ、Aさん」と呼び止められた。間違いなかったらしい。
「まったく。どいつもこいつも支払いを踏み倒すろくでなしばかりで困りますよ
買ったら払う、借りたら返す。当然のことですよね？」
「は、はい」
やれやれとわざとらしく肩を竦める動作。
もう見慣れてしまったなと苦笑していると、鋭い薄青の目が私を捉えているのに気付いて慌てて頷いた。
「今年はもう少しマトモな人材が入ってくれれば良いんですけどね…」
「ふふふ。期末テストの結果次第…と言ったところですが、大丈夫でしょう」
「そーそー。その為のグッピーちゃんでしょ？」
「おや、随分と早く済みましたね」
「んー？グッピーちゃんの匂いしたから、頑張っちゃった♡」
「？？？期末テスト…？その為の…？？」
「ふふ、「何が何だかわからない」といった感じでしょうか。かわ………」
「…？アズール。説明なさらないんですか？」
「え、えぇ。今からするところでしたよ！」
こほん、と咳払いをしたアズール先輩が「遅くなってしまい申し訳ありません」と前置きして、その発言の理由を話し始めた。
「期末テスト…そこで取れる点数によっては、追試もしくは留年なんてイベントを発生させる、僕達生徒にとっては厄介な存在。しかし、この学校で真面目に勉強している生徒はごく少数…これを利用したんですよ」
「利用……勉強を教える代わりに対価を払わせる、などでしょうか」
「あぁ、惜しいですねぇ。よく考えてみてください…それでは、効率が悪いでしょう？だからこんな契約をしたんです
《期末テストの対策ノートを渡すかわりにあなたの“自慢の能力”をひとつ僕に預けてもらう。あなたが成績優秀者上位５０位内に入れば能力は返還……さらに卒業まで全てのテスト対策ノートをあげましょう。でももし、あなたが50位内に入れなかった時には＿＿卒業までの間、僕に絶対服従の
…なんてね」
「……とても魅力的に思えないのですが」
「面白いことに、たくさんの方と契約させていただきました」
「えぇ…？……あ、」
＿＿『ふなぁ…50位以内になんとしてでも入りたいから…』
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のま(プロフ) - エーメさん» 素敵なコメントをありがとうございます…！そう言っていただけるととても嬉しいです！引き続き頑張って更新させていただきます！ (2021年1月9日 14時) (
レス) id: eb0df26a11 (このIDを非表示/違反報告)
エーメ(プロフ) - はじめまして！この小説すごく面白くて一気読みしてしまいました！これからも応援しています！更新も無理のないよう頑張ってください！ (2021年1月9日 0時) (レス) id: 30ed0185d7 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます…！そう褒めていただいてとても嬉しいです！展開がわかりやすいように、と気をつけている部分も多かったので本当にとても嬉しい…！(語彙力が…)コメントありがとうございます！ (2020年9月17日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 貴方様の夢小説を読みました。文章が繊細で、ストーリー展開が分かりやすかったです。 (2020年9月17日 18時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - マザーグースさん» あわわ、ありがとうございます…！地道に頑張らせていただきます！ (2020年8月12日 12時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年8月4日 13時
