#2 ページ39
「オレの大事なペットに手ェ出すとか、勇気あんね」
「ひっ！」
「！？」
「げぇっ、フロイド！？」「一緒にいたのかよ！」
手で軽く受け流そうとしたのを、突然現れた彼は許してくれなかった。
私に向かって放たれた拳はフロイド先輩の掌に吸い込まれ、それを掴んだ先輩は勢いよく男子生徒を投げ飛ばす。
(うわっ、いったそ…)
その痛々しい光景に目が奪われる＿＿が、忘れてはいけないこの発言。
(オレの…“ペット”…？？？)
「おやおや。穏やかじゃないですねぇ」
「…ジェイド先輩」
(フロイド先輩がいるなら、と思いはしたけど)
クスクスと笑って背後から歩いてきたのは、心なしかどす黒いオーラを纏っているジェイド先輩で。
あまり騒ぎを大きくしたくない私としては、ありがたいストッパーの登場だった。
「すみませんがジェイド先輩。あのフロイド先輩を「しかし、それもしょうがないこと。大切な僕のヒトを傷つけようなんて…責任は取ってもらいますよ」
「(あ、)」
ニコニコ笑顔が、そのギザギザの歯を覗かせたものに変わる。
(これ、割とマジな時の先輩だ)
つう、と嫌な冷や汗が背中を伝った。＿＿その次の瞬間。
「ぐっ！？」
顎に手を当てて上品に笑っていたはずの先輩が、「俺らの方が」と話していた男子生徒のお腹に綺麗な前蹴りを決めていた。膝から崩れ落ちた生徒を見るに、威力も十分だったらしい。
(凄い…でも、ストッパーがいない…！！)
「に、逃げろ！」
「これで終わりぃ？…雑魚が」
結局、あっという間に全員がのされ、意識を保っていた数人が倒れた人を担いでよたよたと去っていく。フロイド先輩の罵倒も、逃げるのに必死な彼らには届いていないようだった。
「これで済むとでも？…と言いたいところですが、今日のところは見逃しましょう」
「そうだねぇ、ジェイド。あんな小魚よりも…」
「！」
そう言って、それを見送っていた先輩達がくるりとこちらを振り向く。
あの、どす黒いオーラは消えていない。
「オレらを誤解してる、可愛いグッピーちゃんとオハナシしないとねぇ」
「…な、何が誤解ですか。貴方達は私を見下し、玩具のように扱って、」
「それ以上言ったら締めっから」
「うっ…」
190cm代の2人の圧に気圧されるも、なんとか物怖じせずに話し出せば思わぬ武力行使に言葉を失う。
「……それじゃあ、一体、なんなんですか」
それでも何か言ってやろうと紡いだ言葉は、なんとも情けない、弱々しいものだった。
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のま(プロフ) - マザーグースさん» 続編にもコメントして頂きありがとうございます！、ほんとに嬉しくてモチベあがりました…！頑張ります！ (2020年8月12日 12時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース - この作品大好き…更新頑張ってくださいね。 (2020年8月10日 23時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 桜雪さん» うああ、ほんと読んでくれてありがとう…！そこまで言って貰えるとほんと自信持てます、、更新頑張れる(*´ω`*) (2020年6月15日 8時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - どうしてこんな神作品今まで知らなかったのか激しく後悔したよのまちゃん。もう秒でお気に入りした、、、、、、設定も描写もはっきりしていてとっても好きです超面白かった、、！ (2020年6月15日 1時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - Aさん» う、あ嬉しすぎて語彙力が消失してますすみません…！そういったコメント頂けるだけで低評価とか吹っ飛ぶくらいです笑 本当にコメントありがとうございます。自信を持って、完結まで向かわせていただきます！ (2020年6月14日 7時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年5月28日 7時
