# ページ31
「フフフ」
(ほんとに、可愛らしい)
からかい続けるとちらちらと見える、巷の王女様とは違うその表情。きっと少しは心を許してくれているんでしょう。
＿＿＿しかしそれだけじゃ、物足りない。
どこか独占欲にも似たその彼女への好奇心を満たすのには、まだ。
(どうしたら心を許していただけるんでしょうかねぇ)
…今や彼女はアズールのお気に入り。
もし下手を打って彼女を傷つけるようなことになれば、アズールからお咎めを受けるのは間違いない。
(最初はあんなに嫌そうにしていたのに、いったいどんな心変わりがあったのやら)
それもそれで非常に興味深い…あぁ、しばらくは退屈せずに済みそうだ。
「立ち話はこれくらいにしましょうか」
「…えぇ、そうですね」
そう提案すれば、どこか素っ気ない態度で彼女は足を鏡舎の方へ向けた。目も逸らされてしまっている。…完全に警戒されてしまったようだ。
(残念ですね…フフ)
＿＿
＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿モストロ・ラウンジ VIPルーム
「やっと来たグッピーちゃん」
「ぐぇっ」
「おやおや」
彼女とフロイドが会う時は、いつもハグから始まっているような気がする。
待ちくたびれていた、というのもあってかその力はいつもよりも強い。
「Aさんが死んでしまいますよ」とフロイドに言えば、「え〜」と不満げな声と「笑えないんですが…」といつもより細いAさんの声が返ってきた。…なるほど、笑えませんね。
「ほら、そこまでにしてあげてくださいフロイド」
「…加減したつもりだったんだけど？」
「もう少し身長差を考えるべきでしたね。普通に抱きしめては、彼女は窒息してしまいますよ」
「あー」
「(本当にフロイド先輩の距離感はおかしい！)」
拗ねたように言うフロイドに助言をしつつ、ちらりと彼女の方を見る。
あの一瞬でまた顔を赤らめているあたり、まだ耐性がないのだろう。本当にピュアな方だ。
「＿＿＿さて、Aさん」
ソファーに腰掛けてそのやり取りを見ていたアズールが、いい笑顔で名前を呼ぶ。このあからさまにつくった笑顔にかちん、とAさんの動きが固まった。そして、咳払いをひとつ。
「遅れてしまって申し訳ないですわ、アズール先輩」
(……へぇ)
前回はフロイドとの接触でしばらくは動揺が残っていたというのに、今回は違うらしい。
しゃんと背筋を伸ばして、動揺していたのが嘘のような微笑を浮かべている。
(やはり、当分飽きることは無さそうですね)
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のま(プロフ) - マザーグースさん» 続編にもコメントして頂きありがとうございます！、ほんとに嬉しくてモチベあがりました…！頑張ります！ (2020年8月12日 12時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース - この作品大好き…更新頑張ってくださいね。 (2020年8月10日 23時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 桜雪さん» うああ、ほんと読んでくれてありがとう…！そこまで言って貰えるとほんと自信持てます、、更新頑張れる(*´ω`*) (2020年6月15日 8時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - どうしてこんな神作品今まで知らなかったのか激しく後悔したよのまちゃん。もう秒でお気に入りした、、、、、、設定も描写もはっきりしていてとっても好きです超面白かった、、！ (2020年6月15日 1時) (レス) id: ef0eaf48d3 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - Aさん» う、あ嬉しすぎて語彙力が消失してますすみません…！そういったコメント頂けるだけで低評価とか吹っ飛ぶくらいです笑 本当にコメントありがとうございます。自信を持って、完結まで向かわせていただきます！ (2020年6月14日 7時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年5月28日 7時
