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「ここら辺で、いいですかね」
オンボロ寮から少し離れたところに出て、辺りを見渡す。早朝ということもあってか、人っ子一人いなかった。
それに安堵してから、おいっちにと準備運動を始める。“ランニング”とはいえども、準備運動は大切だ。
＿＿＿さて、ここで私が早朝ランニングをするに至った理由を簡潔に言おう。
《太った》
その原因は明白、ハーツラビュルのお茶会で出される、美味しいタルト達だ。
ぱっと見、わからない程度の変化だけど、確かに私のウエストは少し太くなっていた。“少し”といえば全く問題がなさそうだが、ホリデーには王女としての公務がある私にとって、致命的な変化。なぜなら、公務ではドレスを着る。ドレスを着るということは、あのコルセットをつけるということだからだ。
(太った状態で、ただでさえ苦しいコルセットをつけるなんて…)
考えるだけでゾッとする。
というわけで、体力育成のない日の朝は、オンボロ寮の周辺を走ることにしたのだ。向こうに居た時の日課なので、特に苦ではない。
(むしろ、入学してからが自堕落すぎる)
「っは、っは……」
(もう少し、走ってみようかな…)
そう思って、植物園付近まで来たときだった。
「！？(せ、生徒がいる！？)」
誰もいないだろう、と油断していたのが馬鹿だった。
でも、幸い気付くのが早かったおかげで、この王女らしからぬ行為は見られずに済んだ。
ササっとUターンして、影から少し、その生徒の姿を見る。
(フサフサの耳に、フサフサの尻尾…)
…同じ獣人でも、レオナ先輩達とは全く違うフサフサ度に、(少し触ってみたい)なんて下心が生まれた。ごめんなさい。
「…？」
「！(って気づかれた！？)」
走る速度を落としてキョロキョロと周りを見るその素振りに、ギクっとする。
慌てて＿でも音を立てずに＿、私はオンボロ寮へと逃げた。
_
「…なんだ、この匂い。人がいたのか？」
耳をすませば、微かにまだ足音が聞こえる。
(この学園にヴィル先輩以外の朝ランしてる奴がいたとはな)
少し興味があるが、追えばいつもとだいぶ違うコースになってしまう。
(何より、俺から逃げてるみてぇだったし)
…にしても、この匂いはなんなんだ。
心地いい、ずっとかいでいたいと思ってしまうな匂い。
(ってダメだ、明らかにおかしいだろそんなの)
興味はあったが、要警戒だな＿＿
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のま(プロフ) - 麗さん» ご指摘ありがとうございます…！その通りです。見事に誤字していました泣細かい所まで見て下さりありがとうございますm(_ _)m (2021年1月9日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 31ページ 大丈夫だよジャック、、、の後にくるのは夢主の名前ではないのでしょうか?? (2021年1月9日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 月華姫さん» コメントありがとうございます( ´ ` *)グッピーちゃん呼び、一応理由があってどこかで明かすかもしれませんので楽しみにしていてください笑応援嬉しいです！応えられるように頑張ります！ (2020年5月23日 15時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
月華姫 - フロイドが何故夢主ちゃんをグッピーちゃんと呼ぶのか気になりながら更新楽しみにしていますっ♪此れからも応援していますっ(｀・∀・´)bではまたっ♪ (2020年5月23日 15時) (レス) id: 4f61ef1df2 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - keronefiさん» うっコメントありがてえです…課題に追われて死にそうですが、更新も頑張ります！ (2020年5月13日 23時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年5月7日 17時
