王女の写真事情#1 ページ28
「このドリンクのレシピ提供者はAさんですから、それをアピールしていこうと思っていたんです」
「男子校での女子の価値はおわかりでしょう？」とギザギザの歯をのぞかせて笑いながら言うジェイド先輩。
(見上げた商売根性だわ…)
「でも顔が写ってしまってはダメですわ…お母様になんと言われるか」
「本当に他の王族とは勝手が違うんですね」
仕方ないですね、と肩を落とすアズール先輩。
(そうそう、諦めてください)
「＿＿アズール、アナタね。あの香水を作ったのは」
(あれは…ポムフィオーレの寮長？)
ここ数日で各寮の寮長やら副寮長やらを把握した私は、彼の名前を思い出そうと記憶を辿る。
(確か…ヴィル・シェーンハイト先輩だっけ)
芸能活動をしている、らしい。
ケイト先輩のよくやっているマジカメで、500万人ものフォロワーを持っている、私なんかよりも数十倍影響力のある人だ。
(にしても、つくづく芸能界の知識がないのが悔やまれるな…勉強しておこう)
「おや、お気に召されたのですか？ヴィルさん」
「えぇ、だから来てるのよ…ってその子、」
「Aさんのことですか？香水にも一役買ってくれているんですよ」
「…ふぅん。その美貌は母親譲りみたいね」
「！お母様を知っていらっしゃるのですか？」
聞けば、「勿論」とヴィル先輩は頷く。
そのちょっとした動作にも品があって、私よりも王女のようだ。
「オーディションで華々しくデビューした翌年には電撃結婚…そして引退
それでもモデルとして、女優として業績を上げた幻とされてる彼女を、アタシが知らない筈ないでしょう？」
「そういえば…Aさんのお母様も業界人だったんですね
ならカメラに気をつけるのも、うなずける」
「アナタとは一度話してみたいと思ってたのよ」
「ありがとうございます」
(…でも、母目当てでしょう？)
まだ少ししか話してないのに、そう判断するのは早い…
けど、どうしてもそう思ってしまう。
そんな思いがバレないように、微笑みながら「ぜひ、お願いしますわ」と続けた。
「それで、ヴィルさんのおっしゃっていた香水ですが…
対価はマドルでなくてもよろしいでしょうか？」
「アラ、珍しい相談ね。…アナタの要求は何かしら？」
「Aさんに、メイクをしていただきたいんです」
「……はい？」
どうしてそんな話になってしまったんだろう。
…今回も叫ぶのを我慢した私はとても偉いと思う。
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遙(プロフ) - ちぇよちゃのえくぼさん» ありがとうございます…！朝からテンション上がりまくりです笑これからもよろしくお願いします！ (2020年5月11日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇよちゃのえくぼ - 面白いです! (2020年5月11日 0時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - むうまさん» コメントが、来てる…？？お祝いありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！！( ´ ` *) (2020年5月4日 11時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
むうま - 遅くなりましたが、続編おめでとうございます！！更新頑張ってください！！ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 0f25994282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月23日 9時
