#3 ページ20
(…あれ、何も、こない？)
恐る恐る目を開けたら、こちらに向かってきていたはずの薔薇の木が、一本も無かった。
代わりにふよふよとトランプが浮いている。
(…とりあえず、)
バリアを解いて、現状を把握しようと辺りを見渡す。
リドル先輩は動揺している…自分でトランプに変えた訳じゃなそうだ。
「リドル、もうやめろ！」
「トレイの『ドゥードゥル・スート』！？
えっ……どういうこと？」
「言っただろ。俺の『ドゥードゥル・スート』は少しの間だけならどんな要素も上書きすることができる」
「魔法封じの首輪が外れたんだゾ！」
これが、トレイ先輩のユニーク魔法…
(リドル先輩のユニーク魔法まで上書きするなんて…)
「くっ……首をはねろ！首をはねろったら！
何でトランプしか出てこないんだよぉ！」
「リドル、もうやめろ
これ以上はお前が孤立していくだけだ！
みんなの顔を見てみろ！」
(トレイ先輩が、変わろうとしてる)
エースさんの言葉が届いていたんだ、と嬉しくなる。
でも、状況がまだ最悪なのに変わりはない。
「トレイに魔法を上書きされた？
ボクの魔法よりキミの魔法のほうが優れてるってこと？」
「そんなことあるわけないだろ
リドル、いったん落ち着いて話を聞け」
「キミもボクが間違ってるって言いたいの？
ずっと厳しいルールを守って頑張ってきたのに！
いっぱいいっぱい我慢したのに！
ボクは……ボクは……信じないぞ！！！！！」
「いけませんローズハートくん！
それ以上魔法を使えば、魔法石が『ブロット』に染まりきってしまう！」
「A！入学式のアレで止めれねえのか！？」
「アレはどんなに弱くても精神に影響します！
あんな不安定な精神状態の人相手に使えません！」
…策が、尽きた。
「ボクは……ボクこそが！！！
絶対、絶対、正しいんだーーーーー！！！！」
トレイ先輩が呼ぶ声も、もう届いていない。
先輩の握るマジカルペンの魔法石が、黒く染まったのが見えた。
(＿オーバーブロット！)
まさか、なる人を実際に見ることになろうとは。
高笑いをするリドル先輩の目は濁り、その姿は変わり果ててどす黒いオーラを纏っている。
「ボクに逆らう愚か者ども。そんな奴らはボクの世界にはいらない
ボクの世界ではボクこそが法律
ボクこそが世界のルールだ！
返事は「ハイ、リドル様」以外許さない！！
ボクに逆らう奴らはみんな首をはねてやる！」
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遙(プロフ) - ちぇよちゃのえくぼさん» ありがとうございます…！朝からテンション上がりまくりです笑これからもよろしくお願いします！ (2020年5月11日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇよちゃのえくぼ - 面白いです! (2020年5月11日 0時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - むうまさん» コメントが、来てる…？？お祝いありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！！( ´ ` *) (2020年5月4日 11時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
むうま - 遅くなりましたが、続編おめでとうございます！！更新頑張ってください！！ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 0f25994282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月23日 9時
