#2 ページ15
「レオナさん珍しいッスね、冷帯ゾーンなんて」
「チッ…うるせえのが来た」
「酷いッスね〜…はい、頼まれたドリンクッスよ」
おー寒い、と震えるフリをしながらやってきたラギー先輩が、レオナ先輩にペットボトルを渡す。
「あ、Aくんも居るじゃないッスか
ちっちゃくて見えなかったッス」
「……そう、ですか」
「くくっ…」
(気づいてるもんだと思ってた)
さっきまでの会話が会話だったので、普段は気にしないような言葉に過剰反応してしまう。
(女子で160以上あれば低くないと思うけど…
うっ、男子校の弊害がここにも)
「…もしかして、オレ購買に放置してレオナさんがここにいるのって、Aくんが関係してます？」
「いや、たまたま見かけたからからかおうと思っただけだ」
「あ、ハナからオレ放置するつもりだったんスね」
(…大変なんだな)
私がそう心の中で労う一方、レオナ先輩は「ついてきてやっただけいいだろ」と全然気にしていない。
(いつかラギー先輩には嫌がらせをしてやろうと思ってたけど…やめておこう)
私からのせめてもの慈悲だ。
「あー、寒かった」
「ったく、誰のせいでわざわざ冷帯ゾーンなんて…」
「コイツだろ」
「とばっちりです」
これ以上居座る理由もなかったので植物園を出れば、オンボロ寮の私と先輩達の行く方向は反対になる。
「では、私はこっちなので」
「あー…やっぱりAくんってオンボロ寮生なんスね」
「…どの寮にも、適性がなかったようで」
(部活であれだけ勧誘されたんだ…
全寮に適性があると言ったら嫌な予感しかしない)
たとえレオナ先輩達だとしても。
幸い、詳細を学園長は広めていないようだし、ここは嘘をついておく。
「あんな派手にぶっぱなしてたのにおかしな事あるもんッスね。なんでしたっけ、
「忘れてください
あの時は退学かと思って焦ってたんです」
「無理ッスね」
「…“魔力持ちで適性なし”、ねぇ」
「な、なんですかその目は」
「ほんと、おかしな事もあるもんだと」
(あ、怪しまれている…)
生憎、今の私にはレオナ先輩相手を適当にかわせる言葉のひとつも浮かばない。
(こういう時は逃げるが勝ち、だ)
「ユウさんも待たせてしまっているので…では」
「…逃げやがったな」
「なーんか、怪しいッスね」
(聞こえない、聞こえない！)
後ろからそんな会話が聞こえてくるが、私はあくまで知らんぷりを貫いた。
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遙(プロフ) - ちぇよちゃのえくぼさん» ありがとうございます…！朝からテンション上がりまくりです笑これからもよろしくお願いします！ (2020年5月11日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇよちゃのえくぼ - 面白いです! (2020年5月11日 0時) (レス) id: aef3ed9d84 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - むうまさん» コメントが、来てる…？？お祝いありがとうございます！これからも頑張らせていただきます！！( ´ ` *) (2020年5月4日 11時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
むうま - 遅くなりましたが、続編おめでとうございます！！更新頑張ってください！！ (2020年5月4日 11時) (レス) id: 0f25994282 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月23日 9時
