. ページ18
◇
「次、こちらの彼。目立った罪は犯してないが、ヒーロー殺しの思想にえらく固執してる」
そうして金髪ブローカーは、今度は荼毘に自己紹介を促した。
「不安だな……この組織、本当に大義はあるのか？
まさかこのイカレ女入れるんじゃねえよな？」
えっ心外！ という顔をして荼毘を見た女の子＿＿確かトガと言っていた＿＿に少し同情してしまった。流石にかわいそうである。
「おいおい……その破綻JKすら出来ることがおまえは出来てない。
まず名乗れ、大人だろう」
手の厨ニの人の言葉に結構びっくりした……荼毘って大人だったんだ。
成人済みってことだから、20歳超えたくらいなのかな。若そうな見た目だし。
「……今は『荼毘』で通してる」
「通すな。本名だ」
手の厨ニの人が間髪入れずに突っ込んだ。
もしかして意外とノリ良いのかな。それはないか。
「出すべき時になったら出すさ。
とにかく、ヒーロー殺しの意思は俺が全うする」
どこか遠くを睨めつけるような瞳で謎の理想を語った荼毘に癇癪を起こしたのか、手の厨ニの人＿＿＿今思い出したけど黒っぽい異形は彼を“シガラキ”と呼んでいた＿＿＿＿はゆらりと立ち上がり、そして私達の方へと踏み出した。
「どいつもこいつもステイン ステインと……。
良くないな……気分が、良くない」
このシガラキさんって人はステインのことがさぞかし嫌いなんだろうなぁ＿＿＿と呑気に考えていたら「駄目だおまえら」と吐き捨てられ両手を開きシガラキさんはこちらに向かってくる。仮にも私は雄英高校にいたんだから流石に分かる、この雰囲気。この迫力。
コイツ、私達を殺すつもりだ。
(……ただ私は存在感薄すぎて気づかれていない可能性もワンチャンある)
だが、とにかく一歩後退ろうと、左足を動かそうとした。が、何故か脳裏に浮かんできたのは。
“おい! この場合は退くな! 何回言ったら分かる!”
“全く、反対方向に逃げるなど非合理的なことを……はぁ”
“急がば回れは、いつでも適応されるわけじゃないんだよ”
足がピシリと固まった。
どうして、今になってこんなことを思い出したのだろう。
ふと前を見れば、隣で並んでいたはずの2人は既にシガラキさんの方へ向かっていた。
◇
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
404(プロフ) - ねかあさん» ああああ応援ありがとうございます！！！！！！！ヴィラン連合のわちゃわちゃ良いですよね私も大好きです！！！ (2月19日 11時) (
レス) id: 3a75ae716b (このIDを非表示/違反報告)
ねかあ(プロフ) - あああああああああああああああ！頑張って！ヴィラン連合入ってくれるとか、ありがたいいいいいいいい！応援してます。 (2月9日 17時) (レス) @page23 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
鉛筆(プロフ) - ねかあさん» お楽しみ頂けたようで幸いです！また応援ありがとうございます。ご期待にそえる作品になるよう頑張りたいと思います……！ (12月23日 23時) (レス) id: 3a75ae716b (このIDを非表示/違反報告)
ねかあ(プロフ) - 見ていて楽しいです。更新応援してます。 (12月22日 22時) (レス) @page13 id: 39dbcee998 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆ | 作者ホームページ：こっちで おれと おどろうぜ
作成日時：2023年12月14日 7時
