第一話 ページ1
「私との婚約、なかったことにしてくれない?」
「はあ?」
滅多にきけない玲王の間抜けな声が校内に響いた。
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半時前
御影玲王は御影コーポレーションの一人息子…つまり御曹司だ。
加えて成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗という役満男なのだ。
そんな彼の幼馴染みで婚約者が私。
元婚約者と言うべきだろうか。
私は今日、彼と婚約破棄をする。
彼は前述の通り完璧だ。理想の男性像と言える。
それに比べ私は全てにおいて並、並、並。
長所と言えば人より多少明るいところだろうか。
そんな私と彼は不釣り合いだ。
彼にはもっといい人がいるだろう。
それになんでこんな奴が玲王様の婚約者?と思われているだろう女の子からの視線が痛い。
というかそもそも玲王に対して恋愛感情は抱いてないし。
私は彼をメッセージで呼び出した。
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現在
「はあ?」
「そーいうことだから!また明日!」
私は足早に空き教室を出る。
待てよ、と玲王が言った気がしたけど。
ああ明日からちょっと気まずいなあ…
まあ、元々家柄と幼馴染み、というポジションでなってしまった婚約者だ。
彼も私のことなんてただの幼馴染み程度としか思ってないだろう。
そんな軽い気持ちで告げた婚約破棄を私は後々後悔することになる。
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作者名:はる | 作成日時:2023年3月15日 3時