#2 ページ29
この人ダメな人怖い人。
微睡んでいたのが一変、目がきっと吊り上がったその様に思わずジャミルさんに助けを乞いていた。
「カリムさんがどこに居るかご存知かしら？」
対する彼女は本当にハートが強いらしい。
睨みつけるような視線に怯まず、ニコニコと愛想良く振る舞っている。
「カリム…？知るか。俺に聞くな」
そう言ってそのふい、とライオンさんが横を向く。
きっと「これ以上話しかけるな」の意思表示だ。
しかし予想は外れて、「おい、」とその低音が鼓膜を揺らす。
「そのカッコと言い分で察したがやめておけ
理性の弱え野郎どもにぶつかったらタダじゃ済まねえぞ」
……心配、されてる？
顔が見えなくて、表情から相手の気持ちを伺うことはできない。
でもセリフだけ受け取れば、このライオンさんはガラの悪い人なんかじゃない。
…良い人かな。
「ご忠告ありがとうございます。でも心配ご無用ですわ」
「……」
「ところで貴方、カリムさんをご存知なんでしょう？
なら彼の普段の学校生活を教えてちょうだい」
「はあ！？」
一度目の問いでピクリと耳が動き、
二度目の問いで驚きと不満の顔でこちらを振り向いた。
「あら、やっと目が合ったわね。おかげで確信できましたわ＿＿第二王子のレオナ様」
「ッ！…やっぱそのツテのお嬢様かよ」
「えっ王子様…？って、お知り合いなんですか」
「ふふ、一方的に知っているだけよ。家柄でね」
「！…」
やっぱ凄いや。世界が違う…
飛行旅行から続いていた非現実感から一気に現実へと引き戻される。
目の前で会話をする2人が、この名門校が、仕えている主人が、全部が。
私の立場とは遠く離れている現実に。
だというのに、どこかで「対等だ」と期待している自分がいる。
(あぁ、嫌だ)
カリムさんがくれたチャンスをそんな風に汚したくない。
汚したくないのに、欲が消えない。
(……あーもう。最近ダメだなぁ)
なんだか全部ぐちゃぐちゃだ。
「レオナさーん、頼まれてたデラックスメンチカツサンドッスよ〜
…ってカリムくんの踊り子さんじゃないッスか」
「！ラギーさん」
「ん？Aちゃんのお知り合い？
ならこの方よりもお話ができそうね」
「悪かったなァお話が出来なくて…」
「ほいっ」とラギーさんがライオンさん＿＿もとい、レオナさんにそのサンドイッチを投げる。
ここに来て初めての顔見知りに、少し、肩の荷が降りた気がした。
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のま(プロフ) - コッペパンさん» 更新止まってしまって申し訳ないです泣。応援ありがたいです…！最近リアルがばたついていて、相変わらずの不定期更新になりますが、完結まで頑張ろうと思っていますので、引き続きよろしくお願いします！m(__)m (2020年9月5日 16時) (
レス) id: 7b6725898c (このIDを非表示/違反報告)
コッペパン - このお話本当に好きです……！！！とても良いところで止まっているので続きが気になります！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) 応援しています！これからも頑張ってください！ (2020年8月22日 18時) (レス) id: fe7138416d (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - アヤさん» ざわざわ…()実はTwitterで習得済みの知識だったりします(。あの描写をどう捉えるか…全て読者様次第です笑 (2020年8月3日 22時) (レス) id: 354945433c (このIDを非表示/違反報告)
アヤ - すんごいどうでもいい話なんだけど、タコの8本足の内一本は珍子らしいよーってツイステ民の5割りが騒いでた(( (2020年8月2日 2時) (レス) id: aa6ec04d37 (このIDを非表示/違反報告)
のま(プロフ) - 花さん» ありがとうございます！これからも頑張ります〜 (2020年8月1日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年6月13日 19時
