#2 ページ8
「私の名前はA・ウェスター、
どうぞよろしくお願いします」
「A、ちゃん」
「はい、お好きにお呼びください」
自己紹介を忘れるなんて…私としたことが。
(浮かれすぎたかな)
「私少し仮眠を取ろうと思います…
ユウさんはどうしますか？」
「私はまだ起きて掃除をしようかな…
と思っております」
「あぁ…確かに汚いですよね」
お掃除が得意なんですか？と聞けば、
元気に「はい！」と返してくれる。
(…いい子…)
「何かあったら、遠慮無く起こしてください」
「はい、ありがとうございます…
…あの、」
「はい、どうされましたか？」
「け、敬語外しませんか…？」
(敬語か…)
そのお願いにしばし黙り込んで考える。
『いいですか、A
いかなる時も貴方は微笑みを絶やさず、上品に＿』
「敬語の件ですが、私の癖なので外すのは難しいかと…あ、私に対して敬語を外すのは大歓迎ですよ」
「そうでs…そうなんだ、なら私はタメで行くね！」
「はい、よろしくお願いします」
ユウさんと別れ、自室のベッドにダイブする。
ギシッと嫌な音が鳴ったが、
魔法で強化されたそれが壊れることはない。
「……」
……母との約束事は私が守るべき、最優先事項。
例えそれは“何があっても”変わらない。
…こっちに来てからは考えないようにしてたのになぁ。
「はぁ…」
…私がその演技に、嘘に、もっと早く気づけていたら、
「私も兄様達のように…自分らしさを持てたのかしら」
母の理想に近づくように努力してきた日々。
なぜ努力したかって、私が純粋に、まっすぐに母を愛していたからだ。
当然母も私の事を愛していると思っていたからだ。
「はは…今でも信じられないや」
母達の嘘に気づいた時には、
“私らしさ”を出せる居場所なんてなくて。
今まで一生懸命作り上げてきた“完璧な王女”の名が一人歩きしていた。
＿＿それは場所が変わっても変わらない事。
仰向けになり、ボロボロで板の間に隙間の見える天井を見ながら、そんな思考を巡らせる。
「…こんな事考えるのはやめましょう」
どうせこの学校生活が終われば、
息苦しい社交生活が始まる。
なら“王女サマ”で出来る範囲で、
楽しんでやろうじゃないか…
そう意気込んで、目を閉じる。
すると、頬に冷たい液体が落ちてきた。
(え…？)
ポツポツと降り始めたそれは、
瞬く間にザーザーとオンボロ寮に襲い掛かった。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
