#5 ページ24
「……フン、見逃してやるよ」
(よかった…)
サシェをレオナさんに渡して、安堵する。
(そんなにこの匂いが好きなのかな？)
国のハーブを気に入ってもらえているようで、素直に嬉しい。
「じゃあ、今度こそ私はこれで失礼します」
「はいはい」
「えーオレにはなんもないんスか？」
「ラギーさんに何かしたわけでもないので」
「ケチッスね〜」
もう一つ持ってたら渡したけど、レオナさんに渡したので手持ちは最後だった。他に今渡せるものといえば、マドルくらいになってしまう。
(さすがに現金はね…)
(少し冷たいようだけど、勘弁してください)
やっと植物園を後にして、我がオンボロ寮に向かう。
「あっアレだろ？王女様！」
「やっと見つけたぞ！」
「！？」
(まだ追われてるとは思ってなかった！！)
私を見つけた途端こちらに向かって走り出す男子達。
どう見ても話の通じる相手では無いので、私はそれに逃げるしかない。
「(か、勘弁してくださいぃ…！)」
そろそろほんとに足が限界だ。
それでも走っていれば、急にガクンと足の力が抜けた。
(あ、終わったなこれ)
きっとこの後捕まって部活動のめちゃくちゃな勧誘を受けるんだろう。どこにも入る気はないのに酷いことだ。
そんな未来に軽く絶望していたら、地面に衝突する前に誰かに抱きとめられた。
「シシシッ、これで貸し1ッスよ」
「ラ、ラギーさん！？」
「てめぇらも散れ
無理やり勧誘してんじゃねぇよ」
「ﾋｨｯ!」
「な、なんでレオナさんが」
「俺の勝手だろ、文句あんのか？」
「な、ないです！」
「「すみませんっしたああ！！」」
レオナさんは相当な影響力を持っているようで、私が苦戦していた男子達を一瞬で追い払ってしまった。
「あ、ありがとうございます」
「オレは貸し作る為に動いただけッスよ」
「俺はソイツのワガママに巻き込まれただけだ」
「……ふふっ」
「「！」」
冷たい事を言われるけれど、助けて貰えた事実に変わりはない。それがどうも嬉しくて、私は笑ってしまった。
＿＿
＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
「ただいま戻りましたわ…って、誰もいない」
ユウさん達はまだ雑用を任せれているのだろうか。
(手伝いに行きたいけど、体がもう動かない…)
申し訳ない気持ちを抱えつつ、軽くシャワーを浴びて早々にベッドに入る。
本当は掃除をしたかったけれど、そんな体力はもうなかった。
(ユウさん達が戻ってくるまで、寝てよう…)
目を閉じれば、私は簡単に意識を手放した。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
