#3 ページ22
「珍しいッスね〜レオナさんがそんなお願いするなんて」
「うるせえラギー。こいつは別だ」
「…ふーん」
じーっともう一人の生徒＿ラギーさんがこちらを見てくる。
今の体勢が体勢なのでとても恥ずかしい。
(と、とにかく早くここから脱出しなければ)
そう思っても、さっきのレオナさんの様子を思い出してしまって、なかなか行動に移せない。
集中する視線に耐えきれず、だんだん顔に熱が集まっていく。
「…レオナさん、そろそろ離してあげたらどうスか？」
「あ？」
「その子、顔真っ赤ッスよ」
「……なんだ、お姫様は耐性がねェのか」
「シシシッ、そうからかったら可哀想ッスよ」
(わ、私はこんなに恥ずかしい思いをしてるのに…！)
ケラケラと軽く笑う二人に、今まで抑えていた何かが爆発した。
「な、なくてもいいじゃないですか！
第一！こ、恋人でもないのに抱き合うなんて、ハ、ハ、ハレンチです！！」
「うおっ」
筋力増強の魔法を使って、無理やりレオナさんの腕から脱出する。
これは立派な正当防衛だ。
「ぷっくくく…そ、そこまで重症ッスか」
「お国柄ってやつだな」
「わ、笑わないでください！」
人の気も知らないで！
頭の中の要注意人物のリストに、新たに二人の名前を加える。
(植物園にはいつか遊びに行こうと思ってたけど…行かないことにしよう)
趣味の園芸は、準備が大変なだけで、あのオンボロ寮でも出来るはずだ。
(とにかく、もう2度とここには来ない)
「…いやぁ、案外フツーだな。“完璧な王女サマ”」
「……！」
レオナさんがふとこぼしたその言葉に、ハッとする。
＿＿＿『な、なくてもいいじゃないですか！』
＿＿＿『わ、笑わないでください！』
声を荒げるその姿は、上品で微笑みを浮かべているいつもの王女の姿とは程遠い。
(やらかした！よりによって他国の王族の前で！)
うわああと頭を抱えたくなるけど、それをしても事態が悪化するだけなのは目に見えている。
…なら、いっそ醜態は忘れて仕切り直そう。
「そうでしょうか？」
「だからそれがうぜえって言ってんだろ」
「ゴメンナサイ」
気持ちを切り替えて演じたものの、レオナさんにバッサリ言われる。
さっきのに比べればマシだが、私をビビらせるには十分だった。
そんなやり取りが面白いらしく、ラギーさんはヒィヒィ笑っている。
…今度バレないように嫌がらせをしたいものだ。
(にしても、なんで彼は“王女”として振る舞う私をあんなに拒絶するんだろう…)
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
