#2 ページ21
(“ノース”はノースアイルズの通称…)
しかし彼の容姿はその近辺の国のものでは無い。
(…どちらかと言えば、夕焼けの草原辺り)
夕焼けの草原まではそこそこの距離があるし、平民がその通称を使うとは思いにくい。
(考えすぎかもしれないけど、この人も王族…？)
「なんか言えよ」
「あ、あぁ…申し訳ございませんでした」
いけない、放置してしまっていた。考えるのをやめて、謝罪する。
(気持ちが入ってないようだけど…
私にはユウさんが待ってるんだ、早く帰らねば)
「では私はこれで、」
「っと、ちょっと待て」
「！？」
ガシッと腕を掴まれて、そのまま引き寄せられる。
(あぁああそんな密着するなんて挨拶でもないのにハレンチな！)
抵抗するもがっしりと押さえ込まれていて、殆ど効果はない。
(…ってかがれてる！？)
昼間のフロイド先輩といい、なんなんだ…
「…やっぱよくわかんねェ匂いだな」
「…？」
「魔力の匂いだよ」
(…フロイド先輩と一緒にしてしまってごめんなさい)
「まぁ別の、」
「！？」
「甘い匂いもするけどな」
(今の謝罪を撤回します)
嫌いじゃねえと、後ろから抱きつく形で首元に顔を埋めたこの人。
(こんな人が王族なんてありえない、と思うけど…何か引っかかる)
なぜ引っかかるのかと言われれば…王女の勘だろうか。
この場合は外れて欲しいところだ。今までに結構な無礼を働いてしまっているし。
「…ふぁ〜あ…」
そんな私の心情も知らずに、あくびをするその人。
そういえば睡眠妨害がどうのこうのって言ってたっけ。
(だからと言ってこの状態を許すわけじゃないんだけど)
「そろそろ離してくれませんか？」
「あー…？」
(本当に眠そうだ)
耳も垂れて…警戒心全くなかったけど、大丈夫なのかこの人。
「あーっ！レオナさん、噂の女の子に何やってるんッスか！？」
「！？レオナっ…！？」
「？気づいてなかったのか…まぁ当然か」
(あ、呼び捨てしてしまった)
すぐに失態に気付くも、正直気にしていられない。
だってこの人、いやこの方は、
「レオナ・キングスカラー様、ご無礼を失礼しました」
「……うぜェな」
「ッ！？」
まだ解放されていない私の耳に、彼の冷たい低音が直に来る。
ゾクっと肌が粟立つような感覚に、肉食動物に睨まれた草食動物ってこんな気持ちなんだろうかと思う。
「お前、それやめろ」
拒否権なんて存在しない、命令。
声も出せずに、私は何度も頷く事しか出来なかった。
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
