#2 ページ35
「Aちゃんっ…凄っ…ね…」
「息が上がってるのに無理する必要はありませんよ」
＿＿3限目、体力育成
鬼畜なメニューに息も絶え絶えだ。
思わず横になってしまった私と違って、彼女はしっかりと立っている。
(王女様だから運動できないと思ってた…！)
いい意味で、期待を裏切られた感じだ。
「…でも、褒めてくださってありがとうございます」
「！」
ふふ、と軽く笑って手で口元を押さえる姿に、釘付けになる。
(なんて綺麗なんだろう)
このままだと新しい扉を…わ、笑えない。
「？どうかされましたか、やっぱり無理なさっているんじゃ…」
「う、ううん！ナンデモナイ！」
黙り込んだ私を不審に思ったのか、ひょい、と顔を覗き込んできたAちゃん。
(わあああ整った顔がこんな近くにっ…！)
心臓に悪い、とバッと目を逸らす。
「そう、ですか…」
少し落ちた声のトーンに(しまった！)と思うももう遅い。
一見いつも通りのようだけど…絶対落ち込んでる気がする。
「ち、違うの！だって、Aちゃん、綺麗だから…！」
…私の口は、変な言い訳や嘘が苦手なのかもしれない。
なんとか誤解を解こうと飛び出した言葉は、情けない声とただの本音だった。
(ああああ…絶対引かれた…！)
恥ずかしさやら彼女の反応への恐怖やらで、顔を両手で覆う。
(穴があったら入りたい…)
「…ふふっ、ユウさんはとても可愛いですね」
「へっ、？」
次の瞬間、手がグイッと引かれて上半身を起こされる。
そこで見たのは、膝立ちで私の手を握っているAちゃんだった。
(え、今引っ張ったのってAちゃん！？)
(手、すべすべだな…ってわあああ私はなんて事を)
「そんなユウさんとお友達になれてよかったです」
「！…うん、私もだよ！」
Aちゃんのその言葉に、考えていた事が吹っ飛んで、さっきまで燻っていた不安が綺麗に消える。
(あぁ、私は彼女の隣に居てもいいんだ)
「お前ら余裕だな！オレ達、一生懸命腕立て伏せしてたのによー…」
「僕達とA達でメニューが違うのはしょうがないだろ
昨日がおかしかっただけだ」
そんな安堵と幸福感に浸る中、ゼェゼェと荒い息のままやってきたエース達。
グリムは何処だろ…と探せばペシャンコになっているのを発見した。
「バーンって魔法使いたいんだゾ…」
疲れたというよりか、ただ不満なだけなようだ。
相変わらずのグリムに、Aちゃんと目を合わせて苦笑する。
(＿あぁ、幸せだなぁ)
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のま(プロフ) - アイリスさん» タイトル変更を少し前にして…反映してなかったのかもしれません汗。私自身も気になってはいたのですが、直し方もわからず…と言った具合で。申し訳ありません (2020年5月20日 22時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス - 完璧な仮面という作品を押したら誰が為の王女というタイトルが出てきた……。ん……？ (2020年5月20日 20時) (レス) id: 191e3f71f6 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - あすまさん» ニヤニヤしていただけて作者冥利に尽きます…その上身体の心配まで！素敵なコメントをありがとうございます！頑張ります( ´ ` *) (2020年4月25日 21時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - とても面白いです!!デュースとの絡みを見て､いつもニヤニヤしてます(笑)今の時期大変ですが､お身体に気を付けて下さいね。更新頑張って下さい!! (2020年4月25日 18時) (レス) id: 9925a6995f (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - saraさん» ああああなんという間違いをおかしてしまったのでしょう…今気づいてるところは修正入れます！共有ありがたいです…！頑張ります！ (2020年4月21日 16時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のま | 作成日時：2020年4月10日 19時
