別世界の住人 ページ1
「…なんなんですか、アナタは」
「オレさまだって聞きてーよ、何処だここ？」
(オレさま…？)
男が慌てて止めるので、仕方なく耳に当てたスマホをおろす。
…こちらとしても、変な警察沙汰は起こしたくないしね。
「『何処だここ』って、アナタ何言って…？」
カチっと部屋の電気をつけると、その男の容貌が明らかになった。
褐色の高身長、オレンジのバンダナ、ヘンテコなパーカー…
日本では滅多にお目にかかる事がないであろう格好に、私は目を見開く。
(場所がわからない、ヘンテコな服…
もしかして違う世界から来た人だったりして)
そんなわけないか、と笑えば、「おい！」と男が声を荒げる。
「オマエ、オレのモンスターボール見なかったか？」
「モンスターボール…？」
「あースマホロトムでもいい！
ったくなんで何も持ってねぇんだよオレ…」
「ロトム…」
どこか聞き覚えのあるその単語。
国民的なあのゲーム…“ポケモン”で、出てくる用語だったような。
もしかして、本当に違う世界＿“ポケモン”の世界から来た人？
でも、この人みたいなキャラクター、居たっけ？
「聞いてんの？」
「……申し訳ないんですけど、モンスターボールとスマホロトムって単語、聞き覚えがなくて…」
あ、あとここは東京です。
とりあえず聞かれた事を答えれば、男は「は？」とこぼした後、「信じられない」とでも言いたげに目をパチパチさせた
多分彼の反応的に、彼は“ポケモン”の世界の住人でビンゴだ。
(嘘をついたのは心痛いけど…
この動揺っぷりなら、知ってるって言わなくて正解だったかも)
知ってると答える場合、どうしてもゲームの説明が必要になってくる。
でも『アナタの存在する世界は、私達の世界ではゲームの舞台なんです』なんて、そうすぐに信じられない。
より混乱させるだけだ。
……だから、この人には“ポケモン”の存在を伏せておこう。
「トウキョー…？」
「日本の首都です」
「ニホン…？」
「「……」」
二人の間に沈黙が流れる。
「多分、ですけど…アナタ、別の世界から来たんじゃないですか？」
「…オレも…そんな気がしてたぜ」
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遙(プロフ) - HA LUさん» 嬉しいお言葉です…！他ジャンルに沼ってしまい、ゆっくりな更新ペースになると思いますが、どうかよろしくお願いします (2020年5月19日 8時) (
レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
HA LU(プロフ) - とても面白いです！更新頑張ってください！ (2020年5月17日 18時) (レス) id: 4520b61900 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 闇夜月さん» 毎日更新出来なくて申し訳ないです…！コメントありがとうございます！ (2020年4月14日 15時) (レス) id: d72737bac0 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜月 - とても面白いです！毎日更新を楽しみにしています！頑張って下さい！！ (2020年4月14日 10時) (レス) id: 07dc54a395 (このIDを非表示/違反報告)
遙(プロフ) - 青さん» 嬉しすぎるお言葉です…！昨日更新できなかった事が悔やまれる…ありがとうございます！がんばります！ (2020年4月4日 11時) (レス) id: 2dcdbc064e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遙 | 作成日時：2020年3月26日 20時
