出来損ない少女は失敗を恐れる【wrwrd】 (ページ48)

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188話ページ48

なんだかんだでそのまま会わなかった冬休み。3学期は生徒会も一時解散、役職がそれぞれ変わって再結成。3年生の皆さんもほとんど学校に来なかった。

「…学校で会わなきゃ、会う機会なんて…」

家が近所と言っても、ゾムさんがいつ外出るとか分からないから、本当に会わなくなっちゃったな…。

そんなことを考えながら卒業式準備のために家を出る。
テストも終わって、学校も部活の生徒か卒業式練習をしている3年生、あとは、私たち生徒会くらいしかいなかった。
それも、明日の卒業式が終われば、また少なくなる…。

「！ゾムさ…」

卒業式練習のためか家を出たゾムさんと鉢合わせ。ゾムさんは一瞬こちらを見て、すぐに学校へ行く道とは逆へ足を向けた。

「ま、ってください！ゾムさん！」
ゾ「…なんや」
「そっち学校じゃないです！卒業式、練習あるんでしょう？さすがに前日くらいは行かないと…」
ゾ「別にええやろ？今まで散々やった」
「…やっと、こっち見てくれた。やっと話せた…」
ゾ「…ふは、お前ほんと…」

ゾムさんは呆れながら、少し長い前髪を一瞬かきあげた。ぱっと見えたゾムさんの目は笑ってなかった。

「……」
ゾ「離してくれん？」
「嫌です。ゾムさんが学校行くって言うまで離しません」
ゾ「じゃあ行く。ほら離して」
「……はい」

この人は、誰なんだろう…。
今まで、ずっとずっと、私が話したかったゾムさんはどこにいったんだろう。

そのままゾムさんは、私の横を通って学校への道に足を進めた。