出来損ない少女は失敗を恐れる【wrwrd】 (ページ1)

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141話ページ1

さすが文化祭。人が多い…。

「はぁ…」

人混みに揉まれてシャオちゃんたちとはぐれました。

「どうしよう」

とりあえず人が少なそうな校舎の影に入って、ベンチに座っておこうかな。それでメッセージも入れておいたけど…。

「気付かないよね…」

「…いるか？」
「え？」

頭の上から聞こえるその声に驚いて、見上げると声の主とバッチリ目が合った。

「ぐ、グルッペンさん！？」
グ「こんな所で何してる」
「じ、実はですね…」

さっきまでシャオちゃんたちといたこと、はぐれてしまったことを伝える。

グ「迷子か」
「う…そう、ですね」

って、言うより、手一杯抱えてるものの方が気になるんですが…。いるか？ってこれのこと？
チョコバナナやたい焼き、ドーナツといった甘いものを両手いっぱいに抱えるグルッペンさん。本当に甘いものが大好きなんだ…。

グ「そうか。じゃあ俺と回るか」
「！？」
グ「なんだ嫌か」
「い、嫌じゃないですけど！びっくりしただけですし…」
グ「じゃあ行くぞ。立て」
「は、い」

立った瞬間手渡されるドーナツ。

「これって…グルッペンさんのクラスの、ですか？」
グ「なかなかに美味いぞ」
「えっと、いただきます」

視線を感じながら口に入れる。すごく見られてるなぁ…。

「あ、ほんとですね。美味しいです」
グ「だろ！」
「！は、はいっ」

すごくキラキラした目で見られる。
こ、怖い人じゃないんだ…。なんか、5歳児みたい…なんて言えないけど。