立春 3 ページ7
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「え？！最初志望校そこだったの？！」
「うん、最初はね。」
照と俺はその日のうちに一気に仲良くなった。人は見た目で判断してはいけないと言うけれど、本当にそうなのだと実際にそうなのだと体験して見て分かった。照は目つきが鋭いし、最初は怖かったけど。話してみるとめちゃくちゃ優しい人だと分かって、一緒に居てとても楽しい。
今は、何故勉強好きな俺がこの学校を志望したかという話について喋っていたのだ。
「ま、まじか…」
「うん。結構頑張って勉強してたし？」
「うへぇーー。ちょー難関校じゃん。
一人の人に会う為に普通そこまでするか？」
「…そんなに驚く？」
信じられないと言いたげに照は顔を歪める。確かに自分でも少しやり過ぎなのでは…？とは思っていたが。そんな顔させてしまうくらいだっただろうか。しかし、当時の俺にはこの学校以外を志望するなんていう選択肢は残っていなかったし、その選択をした事は今でも後悔していない。
「忘れられないんだよ。彼が…」
「…マフラーをくれた人、だよね？」
訊ねるように照が聞く。それに対して俺は肯定するようにコクリと頷いた。多分だがマフラーをくれた彼は俺の事を覚えていない。なのに学校まで追いかけてきて。やっている事がストーカーレベルだという自覚はある。
「ホントに馬鹿だな、俺。
こんなところまで追いかけて来て。」
「……そんな事ないさ。」
と俺に優しい言葉をかけながら照が席を立つ。そういえばもうそろそろ入学式の時間だ。各自、講堂に移動しなければいけない。俺も照に続いて席を立ち、廊下へと出た。
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「…緊張するな」
講堂に向かう途中、俺はボソリと呟く。独り言のつもりだったが照はその一言を聞き逃さず、少し首を傾げて訊ねてきた。
「え、ただの入学式だよ？？
……そんな緊張するの？」
「うん。めっちゃ緊張してる。」
「か、変わってるな…」
だって…
今から戦いが始まるんだ、というのは少し大袈裟かもしれないけど。そのくらい俺にとっては重くて意味のあるイベントだ。俺は襟元を正し、ネクタイを締めて気合を入れる。そんな俺を見て照は心底不思議そうに呟いた。
「…そんな過酷なものだっけ？入学式って。」
俺だって入学式がある度にこうなっている訳ではない。ただ今回は特別なのだ。彼に見つけてもらえるかもしれないチャンスだから。
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紫暮姉(プロフ) - 主さん» コメントありがとうございます。このところ更新が遅くなってしまい申し訳ありません。ですが最高の作品と言って頂けて、とても嬉しいです。これからも応援よろしくお願いしますね (2020年8月23日 0時) (
レス) id: e560777b7f (このIDを非表示/違反報告)
主(プロフ) - 初めまして！主と申す作者をやらせてもらっているものです！あべさく大好物の私にとって最高の作品で楽しく読ませてもらってます！更新頑張って下さい！ (2020年8月13日 10時) (レス) id: 9a88ff9636 (このIDを非表示/違反報告)
紫暮姉(プロフ) - 藤菜さん» コメントありがとうございます！！！面白いですか？！そんな風に言ってもらえて凄く嬉しいです。少しずつですが更新していくので応援よろしくお願い致します。 (2020年6月28日 1時) (レス) id: e560777b7f (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫暮姉(プロフ) - めぐみみさん» コメントありがとうございます！ずっと書きたかったので、拙い文章ですが応援よろしくお願いします。 (2020年6月13日 10時) (レス) id: e560777b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫暮姉 | 作成日時：2020年6月11日 20時
