立春 11 ページ15
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どこかのドラマで聞いたことがありそうな台詞を吐かれる。こちらはそんなものに耐性がある訳無いので怖いったらありゃしない。自分の顔の筋肉が強ばるのを感じながら俺は必死に笑顔を保つ。そんな俺を可笑しそうに深澤さんは見ていた。
「で、どうかな？会計になってくれる？」
「……いいですよ。まだ生きていたいので。」
「ありがとー。めっちゃ助かる。
これで先生からも怒られないわ。」
そう言ってホッと息をつく深澤さん。そもそも俺に拒否権なんてないのに、わざと質問してくるあたり意地が悪い。心底呆れている俺を照が心配そうに見てくる。俺は目配せで大丈夫だと伝えた。
「その代わり…」
「分かってるよ、佐久間のことだろ？」
「はい。…教えて下さい、彼のこと。」
俺がそう言うと、宮舘さんが二つ椅子を持ってきてくれる。それが俺と照の為のものだと分からないほど馬鹿ではない。彼はどこまで紳士なのだろうか。
「あ、ありがとうございます。」
「ううん、全然良いよ？
少し長くなるかもしれないから座って？」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
俺が持ってきてくれた椅子に腰をかけると、深澤さんも自分の席に着いた。隣にいる照はよく状況が分かっていないのか、戸惑いながらゆっくり座る。
「佐久間は俺の同級生、つまり2年生。」
「え？！深澤さん、2年生なんですか？！」
「なに、その反応。少し傷付くよ…」
深澤さんはわざとらしく肩を落とす。絶対傷付いてなどいないのに。そんな彼に同情などこれっぽっちもない。しかし、思ったより深澤さんがいじけてしまって。これでは話が進まないと思ったのか渡辺さんが話を促した。
「それで、早く続きは？」
「翔太も厳しいなぁ。
…それで佐久間はさ。凄く良い奴なんだよ。この学校の生徒にしては珍しく。明るくて、優しくて人気者だった。」
「だった？」
俺は過去形なのが気になり尋ねる。助けてくれた時も明るく優しい人だと思った。だから過去形にするなんておかしいと思ったのだけれど。…意図的に過去形で言ったのだと深澤さんの表情を見ればすぐに分かった。さっきまで張り付いたように崩れなかった笑みが苦しそうに曲がったのだから。
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紫暮姉(プロフ) - 主さん» コメントありがとうございます。このところ更新が遅くなってしまい申し訳ありません。ですが最高の作品と言って頂けて、とても嬉しいです。これからも応援よろしくお願いしますね (2020年8月23日 0時) (
レス) id: e560777b7f (このIDを非表示/違反報告)
主(プロフ) - 初めまして！主と申す作者をやらせてもらっているものです！あべさく大好物の私にとって最高の作品で楽しく読ませてもらってます！更新頑張って下さい！ (2020年8月13日 10時) (レス) id: 9a88ff9636 (このIDを非表示/違反報告)
紫暮姉(プロフ) - 藤菜さん» コメントありがとうございます！！！面白いですか？！そんな風に言ってもらえて凄く嬉しいです。少しずつですが更新していくので応援よろしくお願い致します。 (2020年6月28日 1時) (レス) id: e560777b7f (このIDを非表示/違反報告)
藤菜 - 初めまして！佐久間大好き！あべさくコンビも大好きです！この小説とても面白いですね！頑張ってください！応援してます！ (2020年6月28日 0時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
紫暮姉(プロフ) - めぐみみさん» コメントありがとうございます！ずっと書きたかったので、拙い文章ですが応援よろしくお願いします。 (2020年6月13日 10時) (レス) id: e560777b7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫暮姉 | 作成日時：2020年6月11日 20時
