恋愛低体温2

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なんの予定もない休日の前の晩




いつも通りレンタルしてきたDVDを見ながら
酎ハイ片手にきんぴらをつついてる。


半渇きの髪の毛に
肩にはタオル。

こんなの、もうおじさん。







ちょこちょこと間を空けずに図書館に来る、哲也さん。

仕事終わったらご飯行きませんか？って誘ったんだけど、既読にならないから忙しいのかな？

諦めてお家御飯




そうしたら、ちょーっと濃い目の味付けにし過ぎちゃったかな？
お酒が進んで仕方がない。

転がる酎ハイの缶は見ないふり



美味しく出来たから
哲也さんにも食べて欲しいなぁ…なーんて。





…………。





携帯に目をやるけど
相変わらずウンともスンとも言わない。





家飲みだから？
一人だから？
それとも、休みの前の日ってことで
気が緩んでるのかな？



なんにせよ、今夜は飲み過ぎちゃってるから
きんぴら食べに来ませんかー？って誘っちゃうかもよー？電話してくるなら今だぞー！って


鳴らない画面をふて腐れた感じで
指で弾いたら、返事をするように突然鳴り出した、携帯。







思わず飛び上がっちゃった。


パクパクしてる胸を悟られまいと
平然を装った声で出てみる。








「も、もしもし？」

『ごめんね、遅くなっちゃった！』








『もう…御飯食べちゃったよね？』

「…ハイ、、」

『そうだよね、ごめんね…、、』






耳が垂れたウサギを
電話の向こうに思い描いてる

しゅん、って聞こえそうな感じの声だもん








「哲也さんは？」

『ん？実はまだ仕事終わってなくて…』

「え！ごめんなさい！電話…」

『うん、平気。今休憩中だから』






呑気にメールとかしちゃったよ、

_そういえば、周りザワザワしてる









『明日何してるの？』

「……えっ？」







『お休み…だよね？明日、』

「…うん」

『なんか予定ある？』






「_______ない、です…」






ドキッと…した。









『横須賀に来ない？』

「………え？横…須賀？」



『そう。横須賀。明日、仕事で行くんだけど
良かったら来ない？』






…………え？それは、、









『打ち合わせ、
夕方までには終わるからさ、』







横須賀って…









『美味しい海鮮食べさせてあげる。』

「行くっ！」


『ははっ、Aちゃんは美味しい食べ物
吊るしたらすぐ釣れちゃうね？』








哲也さんの地元だよね？
お酒飲みながら 前にそんな話したの覚えてるもん！




地元に連れてってくれるの？
哲也さんの？

それって…ちょっと、、
ううん、



かなり嬉しい！！

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