恋愛低体温2

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すごい人…。
駅を降りてから会場に着くまでも
『あ、この娘もそうなのかな？』って女の子はたくさんいたけど、

会場についてビックリ。



ほんとにお祭りだぁ、、






見渡す限り人、ヒト、ひと、

会場は笑顔と音楽と
美味しい匂いに包まれてる。



平日がお休みの私は
わりと一人も得意なわけで…

フェスに一人か…って憂鬱になってたわりには
美味しそうな食べ物を食べ歩いたり、
小さなお友達と一緒に踊ってみたり
此処にいる人達は皆、
なんだかフレンドリーでピースフル

それなりに御一人様を楽しめてる。








「ねぇ、そろそろじゃない？」





不意に後ろからそんな声が聞こえたかと思うと
私の横を二人連れの女の子達が追い抜いてった。





「あれ？それ、、」





目の前を通りすぎてくリュックに
ふと目が留まる。




この子、なんだか哲也さんに似てる…





仲良く並んだ三つのキーホルダー。
可愛らしい女の子と男の子がふたり。

誰なのかはわからないけど、そのうちの一つが どことなく哲也さんに似てる気がして、、








「お姉さんTETSUYAさんファン？」





目の前の揺れるキーホルダーに
目を奪われてる私に
所有者でもある女の子が話しかけてくれた。







テ…ツヤ？
良く似たキーホルダーのキャラクターも
偶然にもテツヤという名前なんだろうか？





よく分からないままにウンウンと頷くと
出番だから急いだ方がいいよ、と
人懐こそうな笑顔を向け、その女の子は前を指差した。







出番？はて…？


あまり訳も分からないけど
前へ前へと移動してく人の波に綺麗に飲み込まれた私は、ステージがある場所へとズンズン押し込まれてった。







あ…この娘もつけてる！



目の前の女の子の鞄にも さっきと同じキーホルダーがぶら下がってる






この近くで売ってるのかな？
だったらちょっと欲しいかも…

哲也さんの面影のあるキーホルダーなんて
ちょっと欲しくなっちゃう






"コレ、何処に行ったら買えますか？"
この言葉を何度飲み込んだだろう。


声を掛けるタイミングを狙っては
なかなか出てこない勇気にモジモジしてた、私。






ワァッと歓声が上がり
一気に会場が揺れる






え！なに！？







心地良く流れていた音楽の曲調が変わり
地鳴りのような歓声の中
大音量のビートが会場を包む







なんだろう？









跳び跳ねる女の子達の隙間から
カラフルな洋服が見えて





あぁ…誰か出てきたんだ＿＿






そう思ったのを覚えてる

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