恋愛低体温

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その代わり、
子供達はいつも可愛い。

自分好みの服を子供達に着せてるんだろう。



特に、このお乳を飲み終わってすっかりお眠りになってる、小さなお嬢さん、ナナちゃん。


女の子だからきっと
兄嫁の着せ替え人形になるんだろうなぁ。








「Aちゃん、彼氏できたっしょ、」







ナナちゃんを起こさないように お布団に寝かせながら唐突にそんなこと口にするから
あやうくコートのボタンを
引きちぎるとこだった。








「でででできてないよ？」





慌ててボタンじゃなく首が千切れるほど
頭を振ってみたけど…








「隠さなくていいじゃん。」


「ほっ、ほんとだもんっ、」





ナナちゃんのお腹をトントンしながら
全然信用してない様子









「夏頃から…かな？
髪型とか服装とか何年も無頓着だったのにさー
小綺麗にしだしたし？
お化粧も…してるしね？」


「………」







「だから彼氏出来たのかなー？って」


「そ、そんなんじゃ」






「……でも居るんでしょ？」


「なっ、なにがっ…」


「好きな人。」








「………す、好きな人とか…そういうんじゃ、、」








「どんな人？カッコいい？」





急に前のめりになってきたね？むっちゃん、、







「が、くせい」

「マジかよ！年下？」





ちょっとね、よく掴めない人。







「年上、、な気が…する」


「……ね、それ大丈夫？」





自転車ないって言ったのに、
図書館で車降りて、またタクシー拾って…って
理解不能なことする人なんだよ？







「え？うん、、喫茶店で働いてるみたいだし」


「……。」






アパートの前まで送ってもらって
たださようならするだけなのに、
どうして図書館で降りる必要があったのかな？







「……でね？」

「うん、」



「デートしよって、、」







もう、また今絶対顔赤くなっちゃってる








「………よし！これ着ていきな」





スクッと立った、むっちゃん
箪笥の中から
むんずと掴んだ服を私の胸へ。







「むっちゃん…これ見えちゃう」


「勿体ぶらずに乳くらい見せてやんなよ」






無理だよ、乳は…






「頑張んなよ、Aちゃんさ
もっと自分に我儘になっていいと思うよ。
恋…、してもいんだよ？」


「……」







「手、貸して。ネイルやったげる」






兄嫁の趣味だったネイル
今の彼女は足の爪だけ。







「これくらいの色なら怒られないでしょ？」







ヌーディーなピンクベージュが
爪を彩っていく。

ココロに広がる色みたいに
淡く、ほんのり色を落とす。

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