恋愛低体温

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嗚呼！喉が乾く！

注がれるままにクイクイと
シャンパングラスを傾けては空けていく。



その度に哲也さんはクスクス笑ってる。






私が緊張してるの分かってて
面白がってるのかな。

顔も真っ赤だし…




いくらなんでも飲み過ぎ？
お水もらおうかな…








「図書館はいつが休み？」




飲んでいたシャンパングラスをコトンと置き、グラスの縁をなぞりながら
哲也さんの視線が私を捉えた。





「………げ、月曜日です。」






休館日、知ってますよね？
図書館カードに…







「Aちゃんは何が好きなの？
普段は何してるの？」


「＿＿＿？」






言ってる意味が分からなくて、
なんの話か分かんなくて、





「あ、かわいい。今のもっかいして。
首、こてん、てやつ。」


「っ//」





それなのに、
彼がイチイチ私を女の子にするから

ただ傾げた首も
もげちゃうくらい恥ずかしい









「この間さぁ、僕の趣味が多いから
いいなぁ、って言ってたでしょ？」





あ…そういう…意味







「家で映画観たり、、」


「あまり外には出ない？」


「出ないですね。哲也さんは？」



「僕はあまり家にいないかな？
もっとゆっくり過ごしたいんだけどね？
なかなか、、」






サーフィンしてるのかな？
……のわりに白いよね？肌…

あ、今はミュージカルで忙しそうだし
時間ないのかも。







「映画、好きなの？」


「はい。本を読むのも好きです。」






「映画、、観に行く？」


「観にはー、たまには行きますけど…
ほとんどDVDですね」


「…違う違う、」







首を小さく振って
軽く握った拳で口元を隠し
肩を震わせてる、哲也さん






「え？」







「観に行かない？って誘ってるのー」


「えっ？」







口を隠してた手は
顎の下へ。

指を交差させ
ゆっくりとその組んだ手に彼は顎を乗せ、








「Aちゃん、、
哲也さんとデートしませんか？」








もう…だめ。





無論、普段の哲也さんでも"デート"なんて
言われたら意識してしまうっていうのに、


今日のキラキラした哲也さんなんて
存在自体が破壊力満点な訳で、

"デート"なんて言葉、緊張どころか
殺傷能力すらあるんだから。







顔が熱持ってて
とてもじゃないけど上げられない

恥ずかしい




下を向いたまま
コクン、って頷くのが精一杯で




くすって笑う音が
斜向かいから聞こえてきた。





そんなの…





胸がきゅうーって、
痛いくらいに鳴いちゃう。

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