恋愛低体温

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「どう？セロリ」




頬杖をついていた手を下ろし、
テーブルの上で腕組みした彼は
ズイッと身を乗り出して


とても妖艶な笑みをしてみせた。







尋ねられて改めて 手元に視線を落とし
初めて気づく。

ソレがセロリであることに。





手元で短くなってる、セロリ









「……おいしい、、」





そう言えば、みずみずしくて臭みも
えぐみもまるでない。

気づかないわけだ、、








「足りないなぁー。」


「……え？」






顔を上げた私に








「好きって言わせたい」


「＿＿っ//」






ズイッと身を乗り出したままの体勢で
徐々に口の端を上げてく彼は、








「言ったでしょ？僕、欲張りだって。」





それから
うふん、って笑ったの…







「好きって言って」





もう…
そんな事されたら…私は

息をするのも忘れちゃうくらい
貴方から目が離せなくなっちゃう、、





その主語が違うって分かってても
戸惑っちゃうの。

セロリの話なのは、分かってる…





分かっててもドキドキしちゃうから
止めて欲しい…

今まで通りの関係で
いられなくなりそうで…不安になる
自信がない。








「好きって言ってくれるまで
俺、諦めないから。

何度でもトライするよ」







もうやだ、
なんでそんなこと言うの？

ちゃんと主語も入れてよ。
じゃないと勘違いしそうになる自分が
馬鹿みたいだから！



あと、僕と俺混ぜるのもナシ！
急に男感じちゃうから！




頭では理解してるのに
身体は勘違いしちゃって
胸がバクバク騒いで煩いし、
顔、あっついし…

もうっ、絶対顔真っ赤になっちゃってる！

恥ずかしい！！









「……す、すす」


「＿＿＿す？」


「素敵なお店ですねっ！！」









……………声のボリューム間違えた、、




チラッと視線だけ移すと、
やっぱり鳩が豆鉄砲な顔した哲也さんがいて…









「………でしょ。お気に入りなの。」






ふわって微笑んだと思ったら

テーブルに並んだお料理を
次から次に私に勧めてきて、







「いっぱい食べてね。Aちゃんに
食べてもらいたいものばっかりだから」







味が分からなくなることばっかり言う。






どうしちゃったの？哲也さん
今日なんか変だよ。

いつもこんな風に言わないよね？

あんまりドキドキさせないで

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