恋愛低体温

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「ほんとに降ってきたー」





あんなに綺麗な青が広がってた空は
今は真っ黒。

ザァーっとスコールのような雨が窓ガラスを叩きつけている。








「天気予報って当たるんだ…」





どんよりした空に溜息を吐き
巾着袋からランチボックスを取り出した。







いつもランチタイムは
外のベンチ。

こんな天気の日だけは、
仕方なく二階にある休憩スペースへ。


ガラス張りになっていて晴れているとお日様の温もりも感じられる場所。

小さな子供さんとお母さんを
よく見かける場所でもある。








でもこんなお天気。
だーれもいない。


寂しい昼食






まぁ、雨じゃなくても
いつも一人だけど…





茶色ばっかりのお弁当の先には
履き古したスニーカー




これ…もう何年履いてるんだっけ、、







ロングスカートに

春、夏、秋はスニーカー
冬だけムートン

それにリュック



私の定番







オシャレには興味ない…
…っていうより、、

オシャレなんて意味ない。








彼氏？恋？
そういうの、私要らないし。

そういうのはさ、
キラキラした女子だけがしてればいいの。
私には関係のない話。



オシャレも恋も そういう人たちだけのための
ものなんでしょう？






ブスッと卵焼きを刺し
口の中へ。





半分ほどしか減ってない、お弁当箱の中身
チラッと目にはいった腕時計が思ったより進んでいて、慌てて蓋を閉めた。





もうすぐ珠美さんが上がる時間
交代しなくちゃ…





雑にお弁当箱を包み、
休憩スペースを後にすると

トントントン…誰もいないフロアには
私の階段を降りる音だけが響いてた。








平日は珠美さんが昼過ぎに帰ったら
図書室は私ひとり。

土日や、利用者が多くて手が足りない場合だけ
事務室にヘルプを頼む。







今日は、お天気が悪かったせいか
午後から来る利用者もまばらで、、

おかげで手が空いた時にしよう、と思っていたことに手がつけられて わりと充実感も得られ、
気がついたときには
閉館を知らせる音楽が流れてた。

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