恋愛低体温

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外…暑そうだなぁ、、





静かな館内は耳を澄まさなくても
空調の音が聞こえるほど。

ミンミンと鳴く蝉の声が
窓の向こうから聞こえてくる。





ジリジリと照りつける日差しで
アスファルトの上に出来た陽炎を

返却されてきた本片手に
窓の外を見下ろしていた。








「お腹が空きました」






急に背後から至近距離で声を掛けられると
人って本当に浮くんだ。

驚き過ぎると声って出ないもんなのね？
その代わり心臓が転び出たと思った。




バクバク心臓を踊らせながら
本棚からぬっ、と出てきた彼を睨み付ける。







「びっくりしたじゃないですか！
急に声掛けないでください！」


「だってさっきから
お腹の虫が鳴くんだよぉー。」



「………。」






知らないし…。そんなの…








「まだかなぁー？お昼♡」


「まだ11時ですよ？」


「今日わざわざ朝御飯抜いてきたんだぁー」








「早くしないと腹ペコで
摘まみ食いの誘惑に負けちゃいそーう」







子供みたいな我儘を言う彼、

そんなの知らないわよ！
そう思う一方で



本当に来た、
サンドイッチ食べる気なんだ、って

半信半疑だった分、
目の前に迫った現実に少し緊張。






大丈夫！
昨日あれからちゃんと練習したもん。

"映え"って言っちゃったんだから
映えるような具材買ってきてさ！




……男の人に食べてもらうのなんて
すごく久しぶりだから
妙に練習し過ぎちゃって昨日の夜も
今日の朝もサンドイッチだったし…


大丈夫…ちゃんと美味しかったよ！A！









結局、カウンターに戻った後も
土田さんからのお腹空いたアピールが凄すぎて、いつもより早めにお昼休みに入らせてもらった。







暑いから二階の休憩スペースで食べますか？って誘ったんだけど…
『ダメー』って断られちゃって
いつもの外のベンチ。





子供の遠足みたいにして
ランチBOXをゴソゴソ開けてる大人の横で
ハンカチで汗を拭いながら
青い空を飛ぶ飛行機を見ていた。







「あー、上手だねぇ。すごーい。
本当に作れるんだぁー」




あら？私って料理出来なさそう？








「あっ！美味しい！
やっぱりお野菜は
たっくさん取らなきゃだよねぇー」





野菜がたくさん入ったサンドイッチを気に入ったのか、シャクシャク音をたてながら
ハムハム食べている。







……ウサギみたい




そういえば…口元とかウサギに似てるよね？

無意識の時にムッてなってる口元が
ウサギのハムッてなった口に似てる！


色白だし白ウサギって感じ！
人畜無害そうな草食動物

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