恋愛低体温

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そのお話し会以来、
私と彼の距離は少しだけ縮まったような気もする。



図書館で会えば、会釈を交わすだけじゃなく
少しだけ話をするようになった。

プライベートなことじゃないよ？
今日は暑いね、とか
もう今日は帰るんだー、とか
図書館の人と、利用者の会話。




でも、今まで分からなかったことも
少し発見した。


まず、彼は色白。
私より白いかも



それから、帽子と眼鏡をとったところ 見たことないけど、意外と整ってるんじゃないかって思ってる。

なんかね、一つひとつのパーツが整ってる感じがするの。

けど、絶対帽子被ってるから
もしかしたら頭皮が…






あと、一番の発見は
彼と話していると心地好い。

彼がおっとり喋るからかな？
それとも声のせいなのかな？

とても穏やかに話すところが
実は一番気に入ってる。


性格の方も穏やかなんじゃないかな、そんな風に思わせるくらい。







パソコン片手に自習室にいる彼の背中を横目に、今日もひとり館内を出て
前の広場でランチタイム。






もうすっかり季節は、夏



木々の隙間から漏れる木漏れ日がキラキラと反射して思わず目を細めてしまう程。







………ありゃ。





いつものベンチには先客の姿


仕方なくその向こうにあるベンチで食べようと
通り過ぎようとした時に
足音か、はたまた気配に気づいたのか
肩先の髪を揺らして彼女が振り返った。






……あ、土田さんの、、





いつか此処で見た、あの時の女の人






ペコリ、先に頭を下げたのは
彼女の方だった。








「図書館の方ですか？」





特別綺麗なわけではないけど、
健康的な女性だと思った。


あまり化粧気のない
でも笑うと元気をもらえそうな、
そんな女の人。







「はい…、あの、、待ち合わせですか？」


「ええ。」


「まだ中に居たんで、あれだったら…」








図書館を振り返って指差した私に









「連絡いれたんで直に、、」





彼女は笑って携帯を振って見せた。









彼女かな？
なんか違うような感じするけど、
いつも此処で待ち合わせしてるよね？


何度か彼女と一緒の場面を見たことがあった。







どうぞ、と隣を勧められて
座ってしまったものの…


このちょっとした沈黙はきまづい。




横でお弁当広げるのもなんだかなぁ…
巾着の結び目を
意味もなくサワサワと触ってみたり…

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