恋愛低体温

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今日のランチはサンドイッチ
朝作った。



といっても
なんの変哲もないサンドイッチ


玉子サンド
あと、ハムとチーズ




お母さんが作ってくれたサンドイッチは
ポテサラが入ってたり
カツが入ってたりしてたけど
朝からそんなの作ってる余裕ない。





膝の上に広げたハンカチの上で
ランチボックスの蓋を開け

食べようとした瞬間








「……いいなぁー」




ボソッと不意に横から聞こえた声に
飛び上がった







「ひゃっ！」





変な声と共に。

我ながら可愛くない。
もっと可愛らしい悲鳴を
あげられないもんなんだろうか、、








「つ…土田…さん？」






なんで此処にいるの？
さっきまで自習室に…









「あー嬉しいな。名前覚えてくれたんだぁー」






…え。なにこの人！ほんと変！




背後から近づいてきたのか
私の座るベンチの後ろから
ベンチの背もたれを抱え込むようにして
身を乗り出してる。








「……どうして此処に？」


「んー？見えたからぁー」






………は？
いや、知り合いでもないんですけど…
見えたからって近寄ってきます？








「美味しそう…」


「………」






ジィっと彼が見つめる先は
私の手元…





………え？
なにこれ。求められてる？
催促？催促なの？
ねだられてるの？

友達でもない人に？







「よ、…良かったら、、」





…って言って後悔。

世はなにかと『映え』



こんな地味なサンドイッチをオススメしてどうすんの？
手作り感満載だし、全然映えてないし
そもそも知らない人の手作りなんて
気持ち悪くて食べたくないに決まって…







「いいのー？ありがとうー」







…………貰うんだ、、

得体の知れない女が作ったサンドイッチ、、
美味しいかどうかもわかんないのに…







勝手に隣に腰掛け
ヒョイっと玉子サンドを摘まむと





「いただきまーす」




なんの躊躇もなく、パクリ

本当に食べた…








「お腹空いてたんだよねー
ありがとう、美味しーい。」






ほんとなに？この人！
変！やっぱり変！








「じゃぁー、…ハイ！」

「えっ、、」





「御礼です。」





これは…珈琲…かな？

青い…なんかガラガラの模様の…紙コップ









「まだ口つけてないからあげる。」





口つけてないからって…









………。







見てる…
今度は私を見てる…

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