恋愛低体温

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キコ…



キコ…







息を吐きながら
ペダルを踏む





体重を乗せて＿＿＿
今日はどこまで登れるかな？









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駐輪場に停めた自転車に鍵をかけ、
大きく深呼吸して
軽く上がった息を整える。




まーだ半分かぁー。




上がってきた坂道を確認して
小さく溜息をひとつ。

運動不足だなぁ。
なんか始めなきゃかな…





坂道を背にリュックを背負い
レンガ調の建物の中へ。








「おはようございます。」


「おはよう、Aちゃん、」









此処は公立図書館


緑とレンガに囲まれて
都会の中にありながらも
少しだけゆったりとした空間を味わえる
都会のオアシス





建物の回りにはたくさんの木々と
広場が広がってて、


毎日鳥の声や、
散歩をするワンちゃんで溢れてる





この素敵な場所に
ひとつだけケチをつけるとしたら
ながーい坂を登りきらなくてはならないところ。




オアシスは
ちょっとだけ高い場所にあるのだ。








大学を出て地方公務員として
区役所に二年勤めたのち、
去年から此処に配属となった。



健康のためにも自転車で通ってみようかと
春から自転車通勤にしてみたものの…



私の脚力では
坂の半分が限界だ。








「Aちゃん、
昨日休ませてもらってごめんね。」


「大丈夫です。それよりカズマくん
もう平気なんですか？」




「うん、今朝は熱も下がったから
保育園に預けてきた。
ニコにもうつんなきゃいいけど…」



「もらっちゃいますもんねぇ。
あ、私新聞差し替えてきますね。」









今日の新聞を入れ替えて
入り口の窓ガラスを
丁寧に拭き上げていく





さぁ、そろそろ開館時間



腕時計をチェックして
キィ…扉を開け放つ






午後から雨が降るって本当かな？
見上げた空は快晴で
モクモクと入道雲が広がってた

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