恋愛方程式 3

side story×直人 ページ33

【店の前、着いたよ。】





そうメールを送って10分後、
ほんのり頬を ピンクに染めた彼女が
店から出てきた。






「帰ろ。直人さん。」


「ねぇー繭ちゃん。なんでこんな合コンばっかりあるのー？」





直人さん 心配で堪らないよ！








「求められてるから？」




その求めてるヤツ。
片っ端から 踏んづけてやりたい！









『直人さん。迎えに来て。』



彼女が 電話して来る時は、
こういう時だけ。





つきあってるわけではない。
俺が 追いかけ回してるだけ。




全然、脈ないんだろうな…
だって合コン行きまくってるし！

なんなら俺が いつも合コン会場まで
迎えに行ってるし！






……ねぇ。
繭ちゃんにとって、俺ってなに？



都合のいいタクシー代わり？
美味しい御飯 食べさせてくれる、おじさん？




あ。だめ。おじさんは、ダメ！
イケメンとまでは言わなくても
そこはせめて、お兄さんで！







「直人さん、アイス買って。」


「いいよ。」






彼女に 一目惚れしたのは、
彼女が ウチの事務所の受付嬢になってすぐ。


お人形さんが座ってるのかと思った。
どストライクで、年甲斐もなく
直人さん、ドキ胸がキュン。



見た目と全然違う中身も、ギャップってやつ？
全然アリなわけで、、
我儘言う彼女を 可愛いとさえ思っちゃう
恋する盲目男子代表。







「明日ねー、」




アイスを咥えた彼女が
少しだけ振り返って 俺を見た。







「ケンチさんと 御飯、
食べに行くことになりました。」



「はっ！？」







なんだと！？

ケンチさんて、あのケンチさん？
君が憧れて仕方ない、あのケンチさんで間違いない？


あんの、腐れエセ御曹司めー。


今迄、素知らぬふりだったくせに
突然、横から出てきて
繭ちゃん、かっ攫っていく気だなー！！


許せない！！
そうはさせないんだからっ！！









「ケンチさん、石油持ってないよ！」




エセだよ！
石油王みたいな顔してるけど
全然、皇太子とかじゃないからね！
騙されてない？


あの人、今でこそ あんな御色気ムンムンで推してるけど、
昔はケンチマンだったんだからねっ！







「………知ってますけど、、」







………ヤバくない？
なんだって急にそんなことに、、







「岩田さんが
セッティングしてくれたんです。」








いーわーたぁーーー！！！



なんなの！？あの子犬！
なんか俺に恨みでもあるの？

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