恋愛方程式 3

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啓司が言ったからって訳じゃないけど、
よくよく見てみれば、


確かに…、
俺のこと 好きかも。あの娘。





かと言って、
特にアピールしてくるわけでもなく、
まとわりついてくるわけでも、ない。



目が合うと、
恥ずかしそうに 頬を染めて 俯く。






……ねぇ？

そんなんじゃ、俺との距離、縮まらないよ？
それとも…、縮める気、ないの？






周りにいないタイプの女の子で、
ちょっかい出してやろう、なんて気はなかったけど、遠くから彼女の反応を見ては 今どき珍しいな、って思ってたんだ。







なんにもアクション起こす気なんてなかったのに、


ある日、
はしゃいだ直人のおかげで
どういうわけか、一緒に御飯を食べに行くことになっちゃって…




緊張してカチコチになっちゃってる姿も、
ふと漏らす控えめな気持ちも

意外と俺の心を擽るもので…
可愛いらしいな、って…思ったんだ。




周りに そういう娘がいないから
新鮮だったのかもしれない。




でも、啓司の言う通り。
このタイプは、割り切って遊べる女じゃない。


だから、無駄だよ。
諦めな、って早めに予防線を引いたのは、
俺だったのに…、






あからさまに 避けられた態度を取られて
我慢出来なくなったのは…、俺の方。







欲しくなった。
手に入れてみたくなった。



だから、罠を張った。





彼女が自ら
俺のところに 飛び込んでくるように…。







ずるく、甘い罠を…









甘い言葉で誘い出し、思わせぶりな態度で
彼女を罠に嵌めたんだ。

そして俺は、彼女を手に入れた。









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「はいどーぞ。エビフライ。」


「わぁーい♡」







「んー♡美味しい♡」





口いっぱいに頬張って 幸せそうに笑う彼女に
笑顔をおくる。







どこで間違えた？

クリスマス？
レストラン？





俺がタイミングを間違えなければ、、








「A、タルタル…ついてるよ。」


「……えっ？」


「ほら、こっち。」


「やだっ//恥ずかしい…」









今でも俺の傍に、……いてくれた？








「A、幸せ？」




頬杖をついて、彼女を見つめれば







「えっ？幸せですよ♡
エビフライ美味しいし♡

それに…、、健二郎さん、優しいから。」





ハニかんだ表情を見せ
彼女が そう答えた。








まさか、可愛い後輩に取られちゃうとは
思わなかったなぁ。


俺だよ？哲也さんだよ？

ありえないよね〜？

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