恋愛方程式 3

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休みボケも やっとこさ直って、
日常生活に慣れてきた頃…






「新年会しませんか？」




仕事終わりに
繭ちゃんが、そう提案した。






「ここのところ、A先輩 ずっと
付き合い悪かったしー！」



「そうね。Aが付き合い悪かった理由も聞きたいしねー。いつにする？」






ロッカールームでは、私の悪口大会が開催中。








「………別に付き合いが悪かったわけじゃ、、」





モニョモニョと言い訳をしながら
制服のリボンをロッカーに放り込んだ。




ちょっと哲也さんと 会う約束をしてたりしただけで、毎日会ってたわけじゃないし…



今日だって、これから会うけど
いつもいつも 一緒にいられる訳じゃないし…







「お店、どこか予約しときましょうか？」


「ウチでもいいわよ。」


「いいんですか？わぁーい♪」






はしゃぐ繭ちゃんを横目に、
通知音の鳴った携帯を確認すると…


『もう出れる？』って、
哲也さんからのメールで、、









「A先輩！新年会！いつにします？」


「えっと、、いつでも大丈夫！
明日とかでも大丈夫だよ！」


「じゃぁ、明日ね。久しぶりに飲むわよ〜！」






盛り上がってる二人の横で

『すぐに行きます！』

そう返信をして、急いでロッカールームを飛び出した。









・








「お待たせしました！」





会社から少し離れた場所。

もうすぐ閉店時間を迎える雑貨屋さんの裏手に
もたれ掛かるようにして待っていた、哲也さん。







「何、食べに行く？」



見ていた携帯をポケットに仕舞い、
笑顔を向けてくれる。







「私、作りましょうか？」




哲也さんが連れて行ってくれるお店は、
どこも美味しいけど、いつもいつもご馳走になってばかりだし、人目も気になるだろうから、


たまには、ゆっくりと部屋で手料…





「んー、いいよ。疲れてるでしょ？
美味しいところ、連れてってあげるから。」







…………。









「鴨とか好き？」


「好きです。」


「じゃぁー、今夜は鴨ね！」








また…、だ。

考え過ぎ？






そんなこと、ないよね？

優しさ…、だよね、、？






大丈夫。大丈夫！
なんにもない。

仲良しだもん！
上手くいってるもん！




ほら！
いつもの笑顔の哲也さんだし！






どことなく感じる違和感に蓋をして
哲也さんに施されながら
やってきた空車に乗り込んだ。

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