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その日は、
お仕事で外に出ていた哲也さんに 誘ってもらい、お店で待ち合わせて 食事を楽しんでいた。
「あ。そうだ!
冴ちゃんと岩ちゃんて、付き合ってるの?」
「………どうなんですかねぇー」
うかつに喋ったら、
冴子さんに 怒られちゃうかもしれない、
そう思った私は、言葉を濁して
黙々と 目の前のお造りをつつく。
「岩ちゃんが ふれ回ってるからさー」
「…………。」
なんなの!岩田さんっ!
せっかく誤魔化したっていうのに、
自分でふれ回ってて どうするの!
天真爛漫 過ぎるでしょ!
そもそも、冴子さんに駄目だって口止めされてましたよね?
怒られても知らないんだからっ!
「Aってさぁー、
嘘つくの…下手だね。」
「………っ!」
向かいから クスクスと聞こえだした笑い声に
顔を上げると…
お箸を持った手で 口元を隠しながら
哲也さんは 肩を揺らしてた。
「そんなに 分かりやすいですかね、」
「うん。」
いいもん。
正直者で、いいんだもん!
「……まぁ、そんなところが
可愛らしいんだけどね。」
チラッと向かいに目をやると、
哲也さんの口角が 両方とも上がってて…
また、“哲也マジック”にかからないようにと、
慌てて 気を引き締める。
「哲也さん、ブリが ガシガシして美味しい♪」
「そぅ。いっぱい食べな、」
ふわっと伸びてきた手のひらが、髪を掠め
向けられる、笑顔。
………//
頬に もう少しで触れそうになった指先を
テーブルの上に無造作に置かれた電話が
遮った。
『ごめんね。いい?』
って表情をした哲也さんが
眉を下げながら電話に手を伸ばしてる。
ダメだ!
“哲也マジック” おそるべし!
ブリよりも鮮度高め!
何度経験しても慣れない…
「あー、今夜は…ちょっと、、」
ピタリ…
ブリをつついてた お箸が止まる、
「んー、ごめんねぇー。また今度。」
ザワつき始めた胸の内…
………誰?
「……分かってるってー。うんうん、、」
もしかして、、
前の、彼女…とか、、?
ねぇ、哲也さん…
今、誰と話してるの?
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花(プロフ) - かりんこさん» ありがとうございます(ノ´∀`*)切ない哲也さんもきっと色っぽくて…ハフン← (2018年12月2日 23時) (レス) id: da6606050a (このIDを非表示/違反報告)
かりんこ(プロフ) - 楽しくきゅんきゅんしながら読ませてもらってました!!哲也さんが切なくて(泣)花さんが書く哲也さん大好きです!! (2018年12月2日 15時) (レス) id: 80c3c3dd16 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - こばしり。さん» ありがとうございます(*´ω`*) 頑張ります(^-^) (2018年4月10日 14時) (レス) id: da6606050a (このIDを非表示/違反報告)
こばしり。(プロフ) - JSB旅館好きすぎるー!まじ卍←何これ。 更新まっとりまっせ~!(*^3^)/~☆ (2018年4月9日 17時) (レス) id: 430ac03c68 (このIDを非表示/違反報告)
reo sano - はい! (2018年3月22日 18時) (レス) id: c9f3e49afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2017年4月25日 21時